石の繭

書籍紹介：石の繭 警視庁捜査一課十一係

『石の繭 警視庁捜査一課十一係』は、麻見和史による日本の推理小説であり、警察小説シリーズ『警視庁捜査一課十一係』の第1作目です。この作品は、2011年5月に講談社ノベルスから出版され、その後2013年に『警視庁殺人分析班』という新題名で文庫化されました。

本作の主人公である如月塔子は、警視庁捜査一課の新米刑事です。彼女は自らの父が刑事であったことから、その遺志を継いで警察官としての道を選びました。描かれる物語は、東京・新橋にある廃ビルの地下室で発見された猟奇的な殺人事件を巡るもので、知能犯との高度な心理戦が繰り広げられます。

あらすじ

物語は、3月9日に新橋4丁目の甲進ビルで発見された肩から下をモルタルで固められた男性の遺体から始まります。翌朝、如月塔子が捜査[[本部]]にいると、犯人を名乗る男が電話をかけてきます。この男は「トレミー」と名乗り、警察を挑発するような言葉を投げかけてきます。彼は捜査[[本部]]に何度も連絡を取り、常に警察の操作を揺さぶり、殺人に関する情報を提供することで、塔子たちとの知恵比べを繰り広げます。

塔子は、モルタルに浸かった頭部の遺体をまた新たに発見し、猟奇的な事件の真相に迫ろうと奮闘します。そんな中、捜査を担当する人々の人間関係や、それぞれの過去も描かれ、物語に深みを与える要素となっています。

主な登場人物

• - 如月塔子：捜査一課の巡査部長で、若干小柄かつ童顔の新米刑事。父親の影響で警察に志望した。
• - 鷹野秀昭：捜査一課の警部補で、塔子の指導役。趣味は100円ショップでのアイデア商品収集。
• - トレミー：正体不明の殺人犯。捜査[[本部]]に頻繁に連絡をし、警察との心理戦を繰り広げる。

書誌情報

本作は講談社より発行された新書判、及び文庫判が存在し、それぞれ以下の通りとなっています。

• - 新書判：『石の繭 警視庁捜査一課十一係』（2011年5月10日発行、ISBN 978-4-06-182777-6）
• - 文庫判：『石の繭 警視庁殺人分析班』（2013年5月15日発行、ISBN 978-4-06-277550-2）

テレビドラマ化

この作品は、2015年にWOWOWの「連続ドラマW」枠でドラマ化され、タイトルは『石の繭 殺人分析班』となりました。主演は木村文乃が務め、彼女はこの役を演じるために特別な衣装を選択するなど、役作りに工夫を凝らしました。監督には多くの刑事ドラマを手掛けた内片輝が起用され、脚本は渡辺謙作が担当しました。

その後、2019年にはスピンオフ作品『悪の波動 殺人分析班スピンオフ』も放送され、トレミーの背景を新しいストーリーとして描いています。

まとめ

『石の繭 警視庁捜査一課十一係』は、緊迫した捜査の中でのキャラクターたちの成長を描いた作品です。充実したストーリー展開と緻密な心理描写が読み手を惹きつけ、同時に映像化された際の演出やキャストの魅力も多くのファンを引きつける理由となっています。

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