石井あや

石井 あや（いしい あや）

最高位戦日本プロ麻雀協会に所属する、日本の競技麻雀プロ雀士。1981年2月7日生まれ、福岡県の出身である。熊本大学理学部地球科学科を卒業しており、学生時代は地球科学、特に地層や化石に関する分野を専門に学んでいたという、異色の経歴を持つ。

大学卒業後、最高位戦日本プロ麻雀協会の第34期生としてプロの道を歩み始めた。デビュー当初からその実力を発揮し、特に2010年にプロクイーン決定戦で初のタイトルを獲得したことを皮切りに、以降の数年間で女流プロ麻雀界における主要なタイトル戦を次々と制覇し、トッププロとしての地位を不動のものとした。その活躍ぶりは、多くの麻雀ファンから注目を集めている。

彼女の麻雀スタイルは、その高い守備力が最大の特徴として知られる。相手の仕掛けに対して冷静に対処し、不必要な放銃を極力避ける堅実な打ち筋は、多くの対戦相手にとって大きな脅威となる。特に放銃率の低さには定評があり、防御面においては女流プロの中でも屈指の実力を持つと評されている。一方で、攻撃面ではリーチに頼らず、役ありのダマテンを巧みに活用して和了を重ねる戦術を得意とする。豊富な経験と状況判断に基づいた、静かで正確な和了は、まさに「スナイパー」という言葉を連想させる。この、隙を見せない高い守備力と、ここぞという場面で静かに高打点を仕留める正確無比な攻撃スタイルから、「沈黙のスナイパー」という異名で呼ばれるようになった。この愛称は、彼女の冷静沈着なプレイスタイルを見事に表現していると言えるだろう。

プロとしての活動の中で、石井あやは数々の栄誉あるタイトルを獲得している。個人タイトルとしては、女流最高位（第10期）、プロクイーン決定戦（第8期）、女流モンド杯（第9回）といった、女流プロ麻雀界の最高峰とも言えるタイトルを制している。さらに、麻雀最強戦2011および2015の女流プロ代表決定戦での優勝、四神降臨Venus Festivalでの勝利など、トーナメント形式の大会でも強さを見せている。団体タイトルでは、第15期夕刊フジ杯チーム戦において、麻雀CABOチームの一員として優勝に貢献するなど、チーム戦でもその実力を遺憾なく発揮している。

メディアへの出演も多く、MONDO TVの麻雀プロリーグには常連として登場している。また、MONDO式麻雀や女流雀士エンターテイメント姫ロン、牌妃列伝!!麻雀コロシアムといった番組にも出演し、その洗練された麻雀スタイルや人柄をファンに披露している。

私生活においては、2017年4月に結婚したことを、同年6月に自身のブログで公表した。同時に、第一子を妊娠中であることも明かしている。結婚相手については詳細を公表しておらず、プライベートは大切にしている様子がうかがえる。結婚後もプロ雀士としての活動名には変更なく、同年に出演した第15回女流モンド杯でも石井姓で登場している。そして、同年11月には無事に男の子を出産したことを報告。仕事と家庭を両立させながら、プロ雀士として精力的に活動を続けている。

「沈黙のスナイパー」として多くのファンを魅了する石井あや。その卓越した守備力と、冷静かつ正確な一打は、競技麻雀における戦略の重要性を改めて知らしめる。今後も、トッププロとして、また一児の母として、多方面での活躍が期待されているプロ雀士である。

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