石井卓雄

石井卓雄の生涯

石井卓雄（いしい たくお、1919年12月3日 - 1950年5月20日）は、日本の陸軍軍人であり、最終的な階級は陸軍少佐でした。彼は日本の敗戦後、ベトナムの独立を求める戦争に参加し、その中で戦没しました。彼はグエン・ソン将軍の軍政顧問として知られており、クァンガイ軍政学校やトゥイホア陸軍中学の教官としても活躍しました。また、戦争中は「花谷」や「トン」といった名義で活動しました。

初期の経歴

石井は広島県福山市で、石井久雄の長男として生まれました。大阪府立今宮中学を経て、1940年2月に陸軍士官学校を卒業します。卒業後すぐに騎兵少尉として任官され、騎兵第11連隊の留守隊に配属されました。彼は1941年に陸軍中尉に昇進し、その後ビルマの戦いをはじめ、太平洋戦争に従軍しました。

1945年には陸軍少佐に昇進し、第55師団の参謀として活動していました。しかし、同年中に連合国軍によるインドシナへの侵攻が始まり、日本陸軍はプノンペンで敗戦を迎えました。石井は当時、日本陸軍の中で最も若い佐官将校でした。

ベトナム独立戦争への参加

終戦後、石井は第55師団の仲間たちと共にベトナム独立戦争に参加する決意を固めます。1945年10月、彼は他の将校や下士官と共にベトナム南部に潜入し、DRV（ベトナム民主共和国）の南部抗戦委員会に迎え入れられました。彼らは地元日本人志願兵を集めつつ、帰国希望者には説得を行っていました。

ベトミンの指導者として

1946年に石井はクァンガイに移り、グエン・ソン将軍と共に新たに設立されたクァンガイ軍政学校の教官に就任しました。ここでは、実戦経験を持つベトミンの幹部たちに対する軍事指導を行い、その後はトゥイホア陸軍中学や民兵の訓練にも関与しました。彼の指導により、傘下の部隊はその名を及ぼし、地域での信頼を得ることになります。

作戦と戦闘

1948年頃、石井はDRV南部委員会の代表団と共にクァンガイから大隊を率いて北部に向かいました。地域がフランス軍との激しい戦場になる中、彼は第308小団の顧問としてその戦略を指導します。石井の指導によって、彼らは「どこでも勝てる第308小団」とまで称される精鋭部隊へと成長しました。彼はまた、南部のフランス軍に対抗するための戦役にも参加し、特定部隊の顧問として活動しました。

最期の瞬間

1950年5月20日、石井はベトナム南部でフランス軍との交戦中に、地雷の事故により戦死しました。彼の戦没後、石井の業績は靖国神社に称えられ、また、彼の部下によってサイゴンに顕彰碑が建立されました。これらの功績は、石井が持っていた理想と志向を今でも後世に伝えています。

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