石動山城

石動山城について

石動山城（いするぎやまじょう）は、石川県鹿島郡の石動山に位置する歴史的な山城です。この城は、天平寺の石動山衆徒が築いたものであり、標高520メートルの山頂近くにあります。城の位置は、七尾城の南、そして能越国境に位置する荒山城の東にあたります。石動山自体は国の史跡に指定されており、その重要性が認められています。

歴史的背景

石動山城は1569年、上杉謙信が越中国を征服した際、天平寺衆徒との関係を深めたことに始まります。彼らは謙信に対して戦勝祈願として大般若経を贈るなどの交流がありました。そのため、城の建設は謙信方に加担していた彼らの自衛の意味合いも持っていたと考えられます。また、この城は謙信が七尾城を攻める際の後方支援拠点としても利用され、直江景綱が守将として指定されたことも特筆すべき点です。

本能寺の変後、能登畠山氏の旧臣らが上杉景勝の支援のもと、再度石動山に立てこもりましたが、前田利家や佐々成政らの軍勢によって城は陥落しました。戦国時代の激しい攻防戦を経て、石動山城は歴史的な遺産として残っています。

現在の状況

現在、石動山の城址には利用者に向けた石動山資料館が設けられ、城の歴史やその重要性についての展示が行われています。また、2002年には大宮坊が復元され、訪れる人々が城の歴史を体感できるようになっています。復元された大宮坊には、書院や台所、御成門、台所門、番所などの建物が含まれています。

遺構と観光

石動山城の遺構には、曲輪、土塁、堀切、竪堀といった防御設備が残存しており、城の形態を知る上で興味深いものとなっています。これに加えて、石動山主郭の石垣も確認でき、当時の建築技術を感じさせます。さらに、支城である荒山城も存在し、これは温井景隆や三宅長盛らが上杉景勝の援軍として立てこもったことも記されています。

アクセス情報

石動山城へは、交通の便も考慮されています。JR七尾線の能登二宮駅からはタクシーで約40分の距離に位置しており、能越自動車道の高岡ICからは約1時間30分で到達可能です。また、能登歴史公園や石動山天平寺跡の駐車場も用意されており、訪問者が便利にアクセスできるようになっています。

このように、石動山城は過去の歴史と文化を今に伝える貴重な遺産で、訪れる人々に多くの学びを提供しています。

もう一度検索