石坂修一

石坂 修一（いしざか しゅういち）の生涯

石坂修一は、1895年9月14日に富山県新川郡東加積村で生まれました。彼は名門・石坂豊一の長男で、父親は富山市長や衆議院議員、参議院議員を務めた政治家でした。1919年に東京帝国大学法学部を卒業後、法曹の道を歩むべく司法官試補としてのキャリアをスタートさせました。

裁判官としてのキャリア

石坂はその後、裁判官として数々の職務を歴任しました。旧裁判制度においては大審院判事を務め、その後新制度に移行した際には東京高裁判事や、仙台、高知、名古屋、大阪の各高裁長官に就任しました。特に、大阪高裁長官時代には、職員がカバンを持つことについて厳しい態度を示し、「職員には他にする仕事がある」とコメントしたエピソードがよく知られています。

また、広島高裁長官時代には、松川事件を巡る控訴審において、知人である鈴木禎次郎裁判長に激励の手紙を送ったことが問題となり、裁判官としての独立性についての議論を呼び起こしました。これにより、彼は裁判官間の信頼関係にも影響を及ぼす存在となりました。

最高裁判事への就任

1958年6月には最高裁判事に就任し、その高い識見と判断力を評価されました。前述の松川事件に関しては、自らの関与を避ける形で回避の申立てを行い、これが認められました。彼は正義の追求に真摯に向き合い続け、その姿勢は多くの人々に影響を与えることとなりました。

引退後の人生

1965年9月に定年を迎えると、弁護士として新たな道に進みました。法曹界での経験を生かし、司法制度の発展に貢献することでしょう。

最期

しかし、彼の人生は1969年11月10日、胆嚢炎を患い東京都渋谷区の日赤中央病院で幕を閉じました。享年74。彼の死は、多くの人々に惜しまれました。

家族

石坂には、妻の石坂春子と2人の息子がいました。長男は通商産業省工業技術院院長を務めた石坂誠一、二男はインテック社長の金岡幸二です。家族もまた、各分野で活躍をし、石坂家は今もなお日本社会に影響を与えています。

文献

石坂修一に関する詳しい情報は、以下の参考文献で確認できます。

• - 野村二郎『最高裁全裁判官：人と判決』三省堂、1986年。
• - 野村二郎『日本の裁判史を読む事典』自由国民社、2004年。
• - 人事興信所編『人事興信録 第15版 下』人事興信所、1948年。
• - 『富山大百科事典 上巻』北日本新聞社、1994年。

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