石垣島セミナー

石垣島セミナー: オウム真理教の重要な合宿勉強会

1990年4月、沖縄県石垣市の美しい石垣島で「石垣島セミナー」として知られるオウム真理教の合宿勉強会が開催されました。このイベントは「神言秘密金剛菩薩大予言セミナー」という正式名称を持ち、教団にとって非常に重要な意味を果たしました。

背景

1990年2月、日本で行われた第39回衆議院議員総選挙では、オウム真理教が「真理党」を結成し、25名の信者が候補者として立候補しましたが、全員が落選してしまいました。この選挙の惨敗によって教団の内部は混乱に陥りました。教団は信者の動揺を和らげるため、石垣島でのセミナーを急遽開催することを決定しました。

当初は石垣島の会場を借りる予定でしたが、オウム真理教の正体が発覚し、会場側から拒否されました。最終的には、海岸のキャンプ場でこのセミナーを実施せざるを得なくなったのです。このセミナーには1270名が参加し、おおよそ500名が出家しました。この結果、教団は危機を脱し、再び勢力を取り戻すことができるようになりました。

セミナーの内容と意味

石垣島セミナーの参加費は30万円と設定されており、多くの信者が集まりました。大雨に見舞われたものの、セミナーの重要な議題には「オースチン彗星の接近と日本の沈没」がありました。信者たちには、「オウムに参加していれば大丈夫」とのメッセージが強調され、危機感をあおる発言が続きました。このセミナーは、その後教団が信者を集める際の基本的な手法となったのです。

しかし、このセミナーの真の目的は、オウム真理教が計画していたボツリヌス菌を使用したテロから信者を守ることにあったということが後に明らかになりました。麻原彰晃の指導の下、信者たちは特別なシェルターを用意されましたが、それは実際には効果が薄く、幾度も失敗に終わることが多かったようです。

元信者の証言

セミナーの間、信者たちが不安を抱く中、本土では炭疽菌をばらまく計画が進められていましたが、実行された散布も失敗に終わりました。信者たちは、富士山総本部道場を含むいくつかの施設において、ビニール製のシェルターの建設が行われましたが、その構造は非常に不十分であり、容易に壊れてしまうものだったという証言もあります。当時、信者たちが感じていた不安の中で、麻原の子供たちの発言や行動が、彼らの間に疑念を生み出すきっかけになったことも伝えられています。

このように、石垣島セミナーは単なる教団の資金集めのイベントではなく、危機感を煽ることで教団に忠誠を誓わせる重要な操作の一環だったと言えます。元信者たちが後に明かした話は、教団の内情やその根底にある意図を知る上で貴重な情報となっています。また、麻原の意識下にあった詳細な計算や意図を反映する証言も、彼の指導スタンスを伺わせる内容となっています。このセミナーは今後もオウム真理教の歴史を知る上で忘れられない出来事として記憶されることでしょう。

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