石垣市役所

石垣市役所の歴史と新庁舎建設

はじめに

石垣市役所は沖縄県石垣市の行政を担う中核施設です。本稿では、石垣市役所の歴史、特に近年における新庁舎建設とその過程で発生した問題点、そして旧庁舎跡地の活用計画について詳細に解説します。

沿革: 明治時代から昭和時代

現在の石垣市域を含む八重山列島は、1908年（明治41年）に八重山村として発足しました。役場は石垣島に置かれましたが、広大な村域と不便な交通事情から、1914年（大正3年）には4つの村に分かれ、現在の石垣市域には石垣村と大浜村が誕生しました。石垣村は1926年（大正15年）に町制、1947年（昭和22年）には市制を施行して石垣市となりました。一方、大浜村も1947年（昭和22年）に町制を施行し、大浜町となりました。その後、1959年（昭和34年）には石垣市に新庁舎が完成し、1962年（昭和37年）には大浜町にも新庁舎が落成しました。1964年（昭和39年）には石垣市が大浜町を編入合併し、現在の石垣市が成立しました。

美崎町庁舎時代

合併後の石垣市は、1966年（昭和41年）から新庁舎建設を検討開始。1968年（昭和43年）に美崎町を建設地として決定し、1970年（昭和45年）に新庁舎が完成しました。その後、1981年と1988年には庁舎増築が行われましたが、老朽化や狭隘さ、バリアフリー化の遅れなどが課題となっていきました。

新庁舎建設と様々な問題

旧石垣空港跡地への移転も検討されましたが、2016年の住民投票の結果、現在の美崎町での建て替えが決定しました。設計は隈研吾建築都市設計事務所が担当し、赤瓦をふんだんに使用した特徴的な庁舎が2021年（令和3年）に完成しました。しかし、建設過程では設計変更や工期延長などが相次ぎ、事業費は約108億円に膨れ上がりました。これを受け、石垣市議会は百条委員会を設置して建設工事の経緯を調査しました。

さらに、赤瓦の選定においても問題が発生しました。仕様書では沖縄県内産の使用が規定されていましたが、実際には愛知県産の赤瓦が使用されたことが判明。この件について、百条委員会は2022年（令和4年）に最終報告を行い、業者と市の認識に相違があったものの、違法性は認められないと結論づけました。

旧庁舎跡地の活用計画

旧庁舎は2022年度中に取り壊される予定で、跡地には商業施設の誘致が計画されています。当初は2025年4月の開業を目指していましたが、事業提案の結果が期待を下回ったため、再公募が行われることとなり、現在、市場調査を実施中です。

まとめ

石垣市役所の新庁舎建設は、市の発展と行政のあり方を問う大きな出来事でした。建設過程で発生した問題点は、今後の行政運営における課題として認識されるべきであり、透明性と説明責任の徹底が求められます。また、旧庁舎跡地の活用は、市街地活性化の重要な要素となるため、適切な計画と実行が期待されます。

もう一度検索