石垣忍 (古生物学者)

石垣忍：古生物学の第一人者

石垣忍（いしがき しのぶ）は1954年に和歌山県で生まれ、現在は岡山理科大学で教授として古生物学と博物館学の分野で活躍しています。彼は東京教育大学（筑波大学の前身）で理学を学び、卒業後は高校の教員として教鞭をとる傍ら、休日には地質調査や学術論文に取り組むという独自のキャリアを築いてきました。

青年海外協力隊の経験

1982年、石垣は青年海外協力隊としてモロッコに派遣され、エネルギー鉱山省の学芸員として古生物学に触れる機会を得ました。初めは期待通りの職務に恵まれませんでしたが、同僚から聞いたアトラス山脈での恐竜の足跡化石の情報を基に、自らプロジェクトを提案し、研究をスタートさせました。その後の数年間、彼はアトラス山脈での発掘調査に没頭し、化石のデータ収集と展示作業を行いました。

帰国後の活動と著作

日本に帰国した石垣は、高校教職に戻り、定時制高校に異動後、昼間は大学で研究、夜は教員という生活を送りました。この時期、モロッコでの経験をまとめた著書『モロッコの恐竜』を出版し、古生物学に対する関心を広げました。この本がきっかけで、神戸大学の教授から博物館建設の企画に参加するよう誘われ、林原自然科学博物館の設立に貢献しました。

フィールドワークへの情熱

2002年から2006年まで行われた「ダイノソアファクトリー」では、自らが収集した資料や制作した骨格模型を多くの人々に披露する機会がありました。この展示は当時、日本最大規模であり、約200万人が来場するなど、多くの人に恐竜への関心を持ってもらうことに成功しました。

2014年には岡山理科大学で日本初の恐竜学コースを開設し、その年のうちに林原自然科学博物館が閉館する運命を迎えました。これを受けて、石垣は岡山理科大学の教授職に専念し、さらに恐竜学博物館の館長も務めています。

共同調査と発見

近年では、岡山理科大学とモンゴルとの共同調査を spearheadし、恐竜の化石研究において重要な発見をしています。2016年の調査では、世界最大級の恐竜の足跡化石が発掘され、さらに2022年には白亜紀末期の地層から1000個以上の足跡化石を見つける成果も上げています。この発見は、恐竜の生態を解明する貴重な資料となっており、その中にはモンゴルで初めて確認された前足の跡を持つ足跡も含まれています。

著作・連載

石垣の著作には、1986年の「モロッコの恐竜」や2008年の「恐竜と歩こう!」があります。また、新聞連載も行い、恐竜の魅力を多岐にわたって伝えています。これにより、彼の活動は古生物学の教育、普及にも寄与しており、幅広い年齢層に恐竜研究の楽しさを知ってもらう努力を続けています。彼の業績は、古生物学という分野の発展に大きく貢献しており、今後の研究活動にも期待が寄せられています。

もう一度検索