白亜紀

白亜紀の総括

白亜紀（Cretaceous period）は中生代の最後の時代で、約1億4,500万年前から6,600万年前まで続きました。この時代は、地質学的に後期と前期の二つに分けられます。「白亜」の名は、石灰岩層にちなむもので、「堊」は粘土質の土を指します。ここでは白亜紀の気候、生物の多様性、そしてその終焉に至る過程を詳述します。

概要

この時代は温暖な気候と高い海面で知られ、地質的には明確な時間的区切りがありますが、開始や終了の年代には誤差があります。特に、白亜紀の終わりを示すK-Pg境界には、隕石の衝突によって放出されたイリジウムを含む粘土層が見つかり、これが恐竜を含む大量絶滅に関連しているとされています。

気候と生物

気候

白亜紀は長期間にわたって温暖かつ湿潤な気候が続きました。前期白亜紀には一時的な寒冷化が見られたものの、高い海水温が維持されていました。特に低緯度地域では32℃、中緯度地域では26℃に達しており、末期には気候帯がによる植物相の変化も確認されています。

植物

この時代の植物界は、裸子植物やシダの衰退に伴い、被子植物が繁栄を遂げました。針葉樹は現代的な姿に進化し、イチジクやモクレンなどの植物もほぼ現在と同じ形態になりました。

地上動物

また、恐竜はこの時代を通じて支配的な存在でした。ジュラ紀からの系統が存在し、特に白亜紀後期には新たな恐竜の進化が見られます。ティラノサウルスやトリケラトプスといった新しい種が台頭しましたが、白亜紀末にはほとんどの恐竜が絶滅しました。

この時代の翼竜も多様性を示し、特に大型の種が残った一方で、中小型の種は衰退しました。ヘビ類の進化も白亜紀において起こったと考えられます。

一方、哺乳類はこの時期に急速に進化し、胎生を持つようになり、有袋類や有胎盤類への系統分化も進みました。恐竜の幼体を狙う種も存在しており、この時期の生物相は多様性に富んでいました。

有鳥類は真鳥類がこの時代に登場したものの、古鳥類が多数を占めていました。陸上性は孔子鳥、海鳥ではヘスペロルニスなどが栄えましたが、終末期にはこれらも多くが絶滅しました。

海洋動物

海洋環境では、白亜紀中ごろに大規模な火山活動が発生し、これが生態系に大きな影響を与えました。モササウルスやエラスモサウルスといった首長竜が繁栄し、現在のサメやエイも進化しました。特にナンノプランクトンの繁栄は白亜紀の石灰岩層を形成する重要な要因となりました。

K-Pg境界の大量絶滅

白亜紀末には、地球史上で最も大規模な絶滅の一つが発生しました。このK-Pｇ境界で、陸上生物の約50%、海洋生物の約75%、全体では約70%の生物が絶滅したとされています。特に恐竜は、現生種を除いて全てが絶滅しました。

現在主流の説では、隕石の衝突がこの絶滅の直接な原因と考えられていますが、他の説も依然として議論されています。

地質

白亜紀が進むにつれて、パンゲア大陸は完全に分裂し、現代の大陸の姿が形作られました。北アメリカ大陸とヨーロッパが分かれ、ゴンドワナ大陸も南極、アフリカ、南アメリカなどに分化していきます。

白亜紀の地層の露出は中国やヨーロッパで見られ、デカントラップの溶岩層もこの時代に形成されたことが分かっています。本時代は、地質学的、気候学的、生物学的に多くの重要な変化をもたらしました。

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