石山城・今堅田城の戦い

石山城・今堅田城の戦い

石山城・今堅田城の戦いは、元亀4年（1573年）2月に発生した織田信長と室町幕府の将軍・足利義昭との間の戦闘です。この戦いは、日本の戦国時代における重要な出来事の一つとして位置づけられており、信長の勢力拡大と義昭の抵抗が交錯する中で行われました。

戦の経過

戦いの始まりは、元亀4年の2月に遡ります。足利義昭は二条御所で挙兵し、信長の圧力に対抗するため、石山や今堅田などの地域にいる国衆を集め、彼らに反信長の兵を挙げさせました。これを受けて、山岡景友や磯谷久次、渡辺昌、山本対馬守らが義昭のもとに集まり、石山城と今堅田城に兵を配置しました。これにより、義昭の軍は一定の勢力を持つこととなります。

さらに、当時信長の配下にいた明智光秀などの武将たちも一部離反し、義昭への参加を示唆していたことが記録されています。これにより、義昭の軍は一時的に勢力を強めたものの、信長側の動きが迅速でした。

2月20日、信長は柴田勝家、明智光秀、丹羽長秀、蜂屋頼隆といった四名の将軍を派遣し、戦局を有利に進めるべく準備を進めました。その数日後、2月24日には、織田軍が勢田から琵琶湖を渡り、石山城に対する攻撃を開始しました。石山城には山岡景友が率いる伊賀衆と甲賀衆が守っていましたが、彼らは26日までに降伏し、城は織田軍によって破却されました。

続いて、2月29日、今堅田城に対する攻撃が始まります。明智光秀は琵琶湖上の兵船を利用し、湖上から攻め登りました。この時、光秀は湖上の制海権も握っており、戦況は有利に進展していました。丹羽と蜂屋は異なる方向から攻撃を仕掛け、最終的には明智隊が城に突入し、勝利を収めました。光秀は今堅田を制圧した後、坂本城へ入城しました。

戦闘の規模と被害

この戦いにより、義昭側は約500名の死者と1,000名以上の負傷者を出したと伝えられています。それに対して、光秀側でも家臣18名が戦死しており、この戦闘が小規模なものではなかったことが窺えます。また、義昭を支援するための浅井氏や朝倉氏の援軍がなかったことは、義昭軍の苦境を一層際立たせました。

この石山城・今堅田城の戦いは、織田信長の台頭の一翼を担った出来事であり、日本の歴史においては彼の軍事的才能を示す重要な戦闘として記憶されています。信長の勝利により、彼の支配地域はさらに広がり、多くの国衆や士族の動きに影響を与えました。戦国時代の歴史の中で、義昭と信長との対立は、幕末の日本における戦乱を象徴するものとして位置づけられています。

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