石山緑地

石山緑地

石山緑地は、札幌市南区に位置するユニークな公園です。ここはかつて札幌軟石の採掘場でしたが、その跡地を活かし、市民が憩える空間へと生まれ変わりました。公園は道路によって北ブロックと南ブロックに分かれており、それぞれ異なる魅力を持っています。

歴史と背景

採掘場としての歴史を持つこの場所は、かつては人の手が加わった不自然な地形が広がり、どこか人を不安にさせるような雰囲気がありました。しかし、この場所を市民が安心して楽しめる公園に変えるため、特別なチームが結成されました。彫刻家5人によるグループ「CINQ」（サンク）が中心となり、ランドスケープデザイナーや行政と協力して、この特異な場所を創造的な空間へと変貌させたのです。

北ブロック

北ブロックには、展望テラス、テニスコート、ゲートボール場などが整備されています。市民が気軽にスポーツやレクリエーションを楽しめるエリアとなっています。

南ブロック

南ブロックは、採掘によってできた切り立った岩肌がそのまま残されており、そのダイナミックな景観が特徴です。この岩肌を背景に、「CINQ」がデザインした野外アート作品が展示されています。自然とアートが調和する、独特の雰囲気を楽しむことができます。また、この場所は、単に美しいだけでなく、かつてこの地で採掘された石への鎮魂歌を刻む場所でもあるという、特別な意味を持っています。

市民参加型の公園づくり

公園の整備にあたっては、市民の声も積極的に取り入れられました。制作現場の公開や意見交換を通じて、市民の要望を反映した公園づくりが行われました。このプロセスは、市民参加型の公園づくりの良い例として評価されています。

受賞歴と評価

石山緑地は、その独創的なデザインと市民参加型の取り組みが評価され、平成9年度には日本造園学会賞を受賞しました。その他、『第8回札幌市都市景観賞』や『第1回さっぽろ景観総選挙』でも1位を獲得するなど、高い評価を得ています。

いしやまキャンドルナイト

東日本大震災の復興支援の一環として、ボランティア団体がキャンドルナイト『いしやまキャンドルナイト』を開催しています。このイベントは、公園の美しい景観を活かし、多くの人々が集まる場となっています。

主な施設

北ブロック

展望テラス
休養広場
テニスコート（2面）
ゲートボール場（1面）
コンビネーション遊具

南ブロック

札幌市南老人福祉センター
呼吸する門
スパイラルスプリング（水の広場）
てつなぎ石
赤い空の箱
沈黙の森
ネガティブマウンド（石の広場：野外ステージ）
* 午後の丘（芝生広場）

石山緑地は、札幌の歴史と文化、自然とアートが融合した、他に類を見ないユニークな公園です。ぜひ一度訪れて、その魅力を体験してください。

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