石岡岩間バイパス

概要

石岡岩間バイパス（いしおかいわまバイパス）は、茨城県石岡市から笠間市（旧岩間町を含む地域）に至る、国の幹線道路である国道355号の重要なバイパス道路です。このバイパスの整備以前、国道355号の当該区間、特に岩間町の市街地周辺は、道幅が狭いうえに道路が曲がりくねっており、見通しの悪い危険な箇所が存在していました。さらに、交通量の増加に伴って慢性的な交通渋滞が発生し、通過交通を円滑に処理する幹線道路としても、地域住民が日常的に利用する生活道路としても、その機能が十分に発揮できていない状況が続いていました。

事業背景と目的

こうした交通上の課題を解消し、地域の交通環境を改善するために、石岡岩間バイパスの建設が計画されました。本事業の主な目的は、以下の点に集約されます。

既存の市街地を通過する交通量を抑制し、通過交通と地域内の生活交通との分離を図ることで、交通の安全性向上と円滑化を実現する。
慢性的な交通渋滞を解消し、特に通勤・通学時間帯における所要時間の短縮を図る。
近接する常磐自動車道岩間インターチェンジへのアクセス性を強化し、広域交通ネットワークとの連携を円滑にする。
沿線地域の交通利便性を向上させ、地域経済の活性化や防災機能の強化に貢献する。

これらの目的を達成するため、石岡岩間バイパス整備事業は1989年度（平成元年度）に国により事業化されました。

路線データ

石岡岩間バイパスの主な路線データは以下の通りです。

起点: 茨城県石岡市根当
終点: 茨城県笠間市下郷
道路幅員: 暫定供用時は13メートルですが、最終的には25メートルに拡幅される計画です。
車線数: 現在は暫定2車線で供用されていますが、将来的に4車線化される計画です。
全長: 具体的な全長は公表されていませんが、起点である石岡市根当から笠間市押辺までの区間は約7.85キロメートルとされています。

建設と供用開始の経緯

本バイパスの建設は、順次用地買収と工事が進められ、完成した区間から段階的に供用が開始されました。

1990年度（平成2年度）には、用地買収作業に着手しました。
1990年（平成2年）3月19日、旧岩間町内の押辺から終点である下郷までの約4.17キロメートル区間について、道路としての区域が決定されました。
翌1991年（平成3年）2月14日には、石岡市柏原から旧岩間町押辺までの約8.86キロメートル区間の道路区域が決定されました。
最初に車両の通行が可能となったのは1992年（平成4年）1月16日で、旧岩間町内の押辺から土師までの約1.7キロメートル区間が供用を開始しました。
1993年（平成5年）3月25日には、旧岩間町内の土師から下郷までの約2.3キロメートルが開通し、終点側のバイパス区間がさらに延伸しました。
2000年（平成12年）12月5日には、旧岩間町内の市野谷から押辺字上原までの約0.5キロメートル区間が暫定2車線で供用を開始しました。
石岡市側では、2002年（平成14年）3月27日に、根当から東成井までの約4.1キロメートル区間が暫定2車線で供用を開始しました。
2003年（平成15年）12月22日には、石岡市根当地内約0.2キロメートルが新たに供用されました。
そして、2010年（平成22年）2月23日に、残る石岡市東成井地内から笠間市市野谷地内までの約2.7キロメートル区間が供用を開始したことにより、石岡岩間バイパスは計画路線として全線が開通しました。これにより、事業化から約21年を経て、地域待望の新たな幹線道路ネットワークが完成しました。

効果と現状

石岡岩間バイパスの全線開通により、国道355号の混雑が大幅に緩和され、特に市街地における交通渋滞の減少に効果が見られています。これにより、通勤・通学や物流の効率が向上しました。また、市街地の通過交通が減少したことで、生活道路としての安全性が向上し、沿線住民の安心・安全な暮らしに寄与しています。常磐自動車道岩間インターチェンジへのアクセス性向上は、広域からの集客や物流の活性化にも繋がっています。さらに、2013年（平成25年）4月1日には、石岡市東成井から笠間市市野谷までの区間が、通行する車両の最大重量限度が25トンに指定され、大型車両の通行が円滑化され、物流面での機能強化も図られています。

主な接続道路

石岡岩間バイパスは、以下の主要な道路と接続し、周辺地域との交通を結んでいます。

茨城県道140号西小塙石岡線
茨城県道278号竹ノ内羽鳥停車場線
茨城県道145号上吉影岩間線
茨城県道43号茨城岩間線

石岡岩間バイパスは、茨城県県央地域南部の交通円滑化、安全性向上、そして地域活性化に不可欠なインフラとして、その役割を果たしています。

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