石川敏行

石川 敏行

日本の法学者（1951年生まれ）。専門は行政法。東京都出身。

略歴

学歴

石川氏は、1974年に中央大学法学部法律学科を卒業した。その後、同大学大学院法学研究科に進学し、1976年に修士課程を修了した。

中央大学での教職

大学院修了後の1977年、母校である中央大学法学部に助手として着任し、研究者、教育者としてのキャリアをスタートさせた。その後、助教授を経て法学部教授に昇進し、長年にわたり同学部で教鞭を執った。専門である行政法を中心に、多くの学生の指導にあたり、教育・研究活動を通じて同学部の中核を担った。

また、中央大学法科大学院においても教授を務め、将来の法曹を目指す学生たちの専門教育に尽力した。学部、大学院、特に専門職大学院という幅広い教育の場で、次世代の法曹や研究者の育成に貢献した。

運輸安全委員会常勤委員

中央大学での長きにわたる教育・研究活動に加え、石川氏は国の行政実務にもその知見を活かした。2010年から2019年まで、運輸安全委員会の常勤委員を務めた。

運輸安全委員会は、国土交通省に設置された独立した調査機関であり、航空、鉄道、船舶といった運輸分野における事故や重大なインシデントの原因を調査し、その再発防止策などを提言する機関である。石川氏は、法学者としての専門的な視点から、この委員会の活動に貢献し、運輸の安全確保という公共性の高い職務を遂行した（特別職国家公務員としての身分）。

その他の公的活動

石川氏の専門知識と識見は、教育・研究分野に留まらず、国の制度設計や人材育成にも広く活かされた。様々な公的な委員会のメンバーとしても活躍した。

例えば、かつて行われていた国家公務員採用Ⅰ種試験（法律区分）の試験専門委員として、国家公務員採用における評価プロセスに関与した。行政書士試験委員としても、行政書士資格制度の適切な運営に貢献した。また、法曹養成制度の根幹に関わる新司法試験制度の導入検討時には、法務省が設置した新司法試験実施に係る研究調査会の委員を務め、制度設計に関する議論に参加した。法科大学院における教育内容についても、その標準化と質の向上を目指す取り組みに関わり、法科大学院コア・カリキュラム策定の際には行政法班の座長を務めるなど、教育内容の検討において指導的な役割を果たした。

専門分野と貢献

石川氏の専門は行政法である。行政法は、国の行政組織や行政作用、行政救済など、行政に関する法分野全般を扱う。中央大学での長年にわたる教育・研究活動に加え、運輸安全委員会での実務経験、そして各種試験委員や制度設計に関する委員としての活動を通じて、理論と実務の両面から行政法学の発展および関連制度の運用・改善に貢献してきたと言える。

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