石川武 (バスケットボール)

石川 武について

石川 武（いしかわ たけし）は、1936年1月9日生まれで、北海道室蘭市出身の著名なバスケットボール指導者です。彼は現在、日本体育大学の教授であり、女子バスケットボール部の総監督を務めています。また、過去には日本バスケットボール協会（JBA）の専務理事や常務理事、FIBAアジア副事務総長なども歴任し、日本のバスケットボール界に大きな影響を与えました。

経歴

石川は室蘭清水丘高等学校および日本体育大学でバスケットボール選手として活躍した後、同大学で教職に就くことになりました。彼は男子バスケットボール部の部長を2005年まで務め、その後は女子バスケットボール部の総監督として活躍してきました。指導者としての手腕により、女子チームは19回、男子チームは14回のインカレ優勝を達成しています。

石川は日本協会の役員として、全日本女子チームのコーチを務め、1975年の世界選手権では準優勝に導く成果を挙げました。1978年にはアジア大会で監督として指揮を執るなど、国際舞台でも活躍しました。しかし、1990年代初頭には学生バスケットボール連盟の会長を務めていましたが、協会の代表派遣を巡るトラブルが発生しました。

2001年から2005年までJBAの副会長をつとめ、その後は専務理事に就任しましたが、2008年には退任に追い込まれました。この期間中、彼はアジアバスケットボール連盟の筆頭副会長も兼任し、JBA内での権力を強固なものにしていました。

JBA内の混乱

石川が指導的立場にあったJBAは、内部でのトラブルが絶えませんでした。特に、JBAの役員人事や運営方針に関する混乱が続き、2006年にはバスケットボール世界選手権の日本開催が決まりましたが、その結果因みに13億円もの赤字を出す事態となりました。これに伴い、JBAは補正予算案を策定するも紛糾し、多くの評議員が欠席する中での決定が相次ぎました。

2008年、JBAの役員人事が繰り返し流会となり、石川が会長代行に就任しましたが、その後も日本オリンピック委員会（JOC）との間での対立が激化し、最終的にJBAは無期限の資格停止処分を受けることになりました。この状況に対し、石川は強く反発し、「窮鼠猫を噛む」と口にしましたが、その後も組織内の混乱は続きました。

JBAの資格停止とその後

石川が理事を辞任した後も、彼の影響力は残っていましたが、FIBAからの厳しい勧告が出され、日本が国際試合への参加資格を失う危機に直面しました。2014年、FIBAはJBAの資格停止を決定し、日本は2016年リオデジャネイロオリンピック予選を含むすべての国際試合に出場できなくなりました。

このように、石川武は日本のバスケットボール界において重要な指導者であった一方で、その指導方法や協会内での権力行使によって多くのトラブルを引き起こしてきた人物でもあります。彼の活動とその影響は、日本バスケットボール界の歴史の中で重要な意味を持つものであり、その経緯は今後の指導者たちにとっても教訓となるでしょう。

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