石川県道12号蛸島港線

石川県道12号蛸島港線

石川県道12号蛸島港線は、石川県珠洲市内を東西に横断する主要地方道である。珠洲市北東部に位置する蛸島地区の蛸島漁港を起点とし、同市南部の飯田町に至る。地域の産業拠点である漁港と市街地を結ぶ、重要な幹線道路の一つとして機能している。

路線の概要と特徴

この路線は、起点の蛸島漁港から西へ向かう。正院町川尻地区を通過する際、一部区間は昔ながらの集落内を経由しており、その道幅は普通自動車同士のすれ違いも困難なほど狭隘となっている。

しかしながら、この狭い区間のすぐ南側には、より広幅員で歩道も整備された片側1車線（対面2車線）の港湾関連道路が並行して整備されている。この港湾道路は大型車両の通行にも対応しており、集落内に特別な用事がない限りは、この代替ルートを利用することで蛸島漁港との間の円滑な往来が可能となっており、狭隘区間が交通上の大きな支障となることは少ない。

正院町川尻地区にあるライスセンター前交差点から終点までの区間は、「珠洲道路」と呼ばれる地域高規格道路の一部を構成している。この区間も片側1車線（対面2車線）が確保されており、比較的スムーズな通行が可能である。

路線の大部分には、冬季の積雪や路面凍結に対応するため、地下水や河川水を利用した消雪工（融雪装置）が設置されている。これにより、特に冬季間の交通安全確保に貢献している。

路線データ

この路線の正式な起終点は以下の通り定められている。

起点: 石川県珠洲市蛸島町レ部121番地先（蛸島漁港前）
終点: 石川県珠洲市飯田町五部85番1地先（飯田町北交差点、国道249号交点）

歴史

石川県道12号蛸島港線の歴史は、1960年代初頭に遡る。

1960年（昭和35年）10月15日：現在の路線の前身となる「主要地方道 飯田蛸島港線」として県により認定された。
1961年（昭和36年）8月4日：認定後間もない時期に、「主要地方道 飯田蛸島港線」から現在の「主要地方道 蛸島港線」へと路線名称および経路の一部が変更された。
1993年（平成5年）5月11日：建設省（現国土交通省）により、この路線が「蛸島港線」として主要地方道に指定された。これは、国の定める主要な道路網の一部として位置づけられたことを意味する。

路線状況

本路線には、他の県道との重複区間が存在する。

石川県道28号大谷狼煙飯田線：珠洲市正院町川尻から珠洲市飯田町の終点である飯田町北交差点まで重複する。
石川県道52号折戸飯田線：珠洲市正院町正院地区から珠洲市飯田町の終点である飯田町北交差点まで重複する。この重複区間は、石川県道28号線との重複区間と一部重なる。

また、本路線は沿線に位置する道の駅へのアクセス道路としての役割も担っている。

道の駅すずなり（石川県珠洲市野々江町）

地理

石川県道12号蛸島港線は、その全線が石川県珠洲市内を通過する。

路線が交差または接続する主な道路は以下の通りである。

石川県道28号大谷狼煙飯田線（珠洲市正院町川尻）
石川県道287号粟津正院線（珠洲市正院町川尻、ライスセンター前交差点）
石川県道52号折戸飯田線（珠洲市正院町正院、正院小路交差点）
国道249号（珠洲市飯田町、飯田町北交差点、本路線の終点）

この路線は、珠洲市北東部の漁港地区と市中心部を結び、地域の産業活動や住民生活を支える上で重要な役割を果たしている。

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