石川真介

石川真介：日本の旅情ミステリー作家

石川真介（いしかわしんすけ）氏は、1953年生まれの日本の推理作家です。福井県鯖江市出身で、東京大学法学部卒業後、トヨタ自動車に入社。会社員として働きながら、精力的に執筆活動を続けています。

1991年、処女小説『不連続線』で第2回鮎川哲也賞を受賞し、作家としての道を歩み始めました。同作品は、その後、光文社文庫などから刊行されていますが、現在では電子書籍で広く読まれています。

石川氏の作品は、複雑に絡み合うストーリーと綿密な構成が特徴です。女性キャラクターの運命や斬新な社会問題を扱いながら、丹念な現地取材に基づいたローカル描写やグルメ描写も豊富に盛り込まれています。さらに、巧妙なアリバイ工作も作品の魅力のひとつです。

主な登場人物として、事件記者兼推理作家兼特任捜査官の吉本紀子と、愛知県警所属の広域捜査官である上島透警部が登場するシリーズ作品も人気です。これらの作品は、『女と愛とミステリー』（テレビ東京系）や『木曜ミステリー』（テレビ朝日系）でドラマ化され、広く視聴者に親しまれました。

かつては紙媒体で出版された多くの作品が絶版となっていましたが、2018年以降、アドレナライズ社より電子書籍として全作品が配信されるようになり、読者の手に再び届くようになりました。現在もアドレナライズ社を中心に、年間3～4作の新作長編を発表し続けており、その旺盛な創作意欲は衰えることを知りません。

特に近年は、電子書籍での書き下ろし作品を発表することに力を入れています。2019年1月には『南紀十津川殺人ライン』、同年7月には『シンデレラ名古屋嬢殺人事件』を配信。その後も、『越前海岸・島別荘の恐怖』（2020年3月）、『鮎川哲也の女たち』（2020年8月）、『謀略と欲望の伊勢志摩妖鬼』（2021年10月）と、立て続けに作品を発表し続けています。2021年12月には、鮎川哲也賞受賞30周年を記念して『全訂決定版・不連続線』を配信しました。

石川氏は、福井県や鯖江市のふるさと大使も務めており、地元への愛着も深いことがうかがえます。日本推理作家協会会員としても活動しています。

彼の作品は、ミステリーとしての面白さだけでなく、日本の各地の風景や文化、そして人々の生活を垣間見ることができる、まさに「旅情ミステリー」として高い評価を得ています。電子書籍化によって、新たな読者層を獲得し、これからも多くの読者を魅了し続けることでしょう。

主な作品一覧（電子書籍化済み）

不連続線（第2回鮎川哲也賞受賞作）
越前の女
断崖の女
琵琶湖殺人探訪:愛と死の近江路紀行
金沢能登殺人周遊:奇跡のからくり
若狭小浜殺人紀行
死刑、廃止せず
自動車の女:三河路殺人慕情
知多半島殺人連鎖
信州飯田殺人奔流
横浜赤い靴殺人事件
尾張路殺人哀歌:喪失の殺人者
京都嵯峨野殺意の旅
越中八尾、恩讐の殺人
美濃路殺人悲愁:私法廷の殺人者
奈良吉野山万葉の殺人
下呂高山殺人街道
水の都大阪3重殺
名画は踊る:越前殺人事件
舞鶴丹後鳴き砂殺人ライン
和歌山殺人事件
金沢郡上殺人ライン
愛と憎しみの伊勢志摩殺人ライン
神戸中禅寺湖殺人ライン
南紀十津川殺人ライン（電子書籍書き下ろし）
シンデレラ名古屋嬢殺人事件（電子書籍書き下ろし）
越前海岸・島別荘の恐怖（電子書籍書き下ろし）
鮎川哲也の女たち（電子書籍書き下ろし）
謀略と欲望の伊勢志摩妖鬼（電子書籍書き下ろし）
全訂決定版・不連続線（電子書籍書き下ろし、鮎川哲也賞受賞30周年記念作）

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