石榑郁郎

石榑郁郎

石榑郁郎（いしぐれ いくろう）は、1942年12月7日生まれの囲碁棋士。日本棋院に所属し、九段の段位を持つ。岐阜県岐阜市出身。

棋士としての歩み

幼少期より囲碁に親しみ、小学3年生で碁を覚える。父親と共に中部総本部の五十川正雄の碁会所に通い、腕を磨いた。その才能を見込まれ、1955年に木谷實九段に入門。本格的にプロ棋士を目指す。

1960年に入段を果たし、プロ棋士としてのキャリアをスタートさせる。その後、着実に実力をつけ、数々の棋戦で活躍。

1968年には、囲碁界最高峰の棋戦である本因坊戦のリーグ入りを果たす。また、首相杯争奪戦では、1969年と1970年の2度にわたり準優勝を飾るなど、その実力を示した。

1974年には、大手合第1部で優勝。1978年と1981年には、棋聖戦八段戦で準優勝するなど、安定した成績を収めた。1980年には、王座戦挑戦者決定戦に進出。

1984年には、九段に昇段。2006年には、通算600勝を達成するなど、長年にわたり第一線で活躍し続けた。

詰碁創作における功績

石榑郁郎は、棋士としての実績もさることながら、詰碁創作の名手として広く知られている。その作品は、独創的な発想と美しい造形が特徴であり、多くの囲碁ファンを魅了している。

実戦に即した手筋や、高度な読みを必要とする難解なものまで、幅広いレベルの詰碁を創作しており、アマチュア棋士の棋力向上に大きく貢献している。

著書

石榑郁郎は、自身の創作した詰碁作品をまとめた著書を多数出版している。

『石榑郁郎詰碁傑作選』三一書房 1996年
『基本詰碁123題 (棋苑囲碁ブックス) 』1996年
『石榑の基本手筋104題―形に明るく局地戦に強くなる』筑摩書房　1997年
『六段挑戦の詰碁 (棋苑囲碁ブックス) 』1998年
『囲碁 必殺の詰碁 初段・二段・三段―実戦の死活が身につく最強119題 (ポケット版・囲碁シリーズ)』成美堂出版　2004年

これらの著書は、詰碁ファンにとって必携の書として、長年にわたり読み継がれている。

参考文献

大島正雄「木谷秘譜5 天才発掘の囲碁行脚」（『棋道』1997年7月号）
* 日本棋院プロフィール

石榑郁郎は、その長きにわたる棋士としての活動と、数々の素晴らしい詰碁作品を通じて、囲碁界に多大な貢献を果たした人物である。

もう一度検索