石河正章

石河正章の生涯と功績

石河正章（いしこ まさあき）は、尾張藩の家臣であり、石川（石河）家の第4代当主として歴史に名を刻む存在です。彼は、貞享元年（1684年）に尾張藩の家老である石川章長の子として誕生し、豊かな家柄に生まれました。正章の人生は、彼が家譜を守り、またかつての栄光を取り戻すための努力に満ちていました。

家督相続と家の再興

宝永3年（1706年）、彼は父の隠居に伴い家督を相続し、万石格の家老となります。その後、享保元年（1716年）は特に重要な年でした。藩主継友の許可を得て、正章は祖父の代から途絶えていた将軍家への参府御暇御礼（参勤時の将軍への拝謁）の再開を幕府に願い出ました。

この行動は、曽祖父光忠が徳川家康に仕官したという背景からも重要です。石河家は元々、将軍家に対して拝謁を許された家柄であったにもかかわらず、祖父の正光の代からそれが途絶えてしまっていました。しかし、正章はこの伝統を復活させることに成功しました。藩主継友の指示のもと、尾張藩江戸家老の大道寺直秀が幕府老中の井上正岑と交渉を行い、遂に参府御暇御礼の再開が認められました。

江戸での拝謁

享保2年（1717年）3月、正章は江戸に出府し、将軍徳川吉宗に正式に拝謁することを許されました。この出来事は石河家にとって新たな歴史の始まりを示しており、以降の代々の当主がこの伝統を受け継ぐきっかけとなりました。正章の功績はここにとどまらず、享保4年（1719年）には従五位下出羽守に叙任され、その地位をより高めることに成功しました。

参勤の整備

さらに、享保11年（1726年）には名古屋への参勤のために、木曽川に駒塚渡しを開設します。これは後に多くの藩士や商人にとって重要な交通路となり、地域の発展にも寄与しました。

晩年と死去

享保16年（1731年）に彼は隠居し、家督を嫡男の忠喜に譲ります。彼は宝暦3年（1753年）7月28日に70歳でこの世を去りました。正章の生涯は、石河家の歴史において一つの大きな転機となり、彼の努力によって家の名誉と伝統が再生されました。

参考文献

この文章は、以下の資料をもとに作成されました:

• - 『名古屋市史』
• - 岸野俊彦編『尾張藩社会の総合研究 第一篇』

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