石油石炭税

石油石炭税について

石油石炭税（せきゆせきたんぜい）は、日本におけるエネルギー関連の税金であり、1978年に制定された石油石炭税法に基づいています。この税は、原油、輸入石油製品、ガス状炭化水素（石油ガスや天然ガス）及び石炭に適用されます。特に、大部分の課税対象は輸入品です。

課税の背景と対象

当初、1978年8月1日の制定時には原油と輸入石油製品のみが課税対象とされていましたが、1984年にはガス状炭化水素が追加され、2003年からは新たに石炭も課税対象に加わりました。この際、石油税法から改名され、現在の石油石炭税法に改正されました。これに伴い、液化石油ガス（LPG）や液化天然ガス（LNG）に対する税率も引き上げられました。

課税は、エネルギー対策特別会計の燃料安定供給やエネルギー需給構造の向上を目的としており、一般会計からその資金を繰り入れることにより運用されています。特別会計の制度は何度も改正されてきたものの、その根本的な目的は変わっていません。

税率の動向

税率に関しては、以前は従価税として設定されていましたが、1988年に従量税に改正され、量に基づいて課税されるようになりました。例えば、原油は1キロリットルあたり2,040円の税が課されます。ガス状炭化水素と石炭に関しては、2003年の改正以降、段階的に税率が引き上げられています。

2012年には、地球温暖化対策を目的とした特例が導入され、段階的な税率引き上げが行われました。

減免措置

2003年からの石炭への課税が始まるにあたり、特定の用途に使われる石炭に対しては免税措置が適用されることになりました。具体的には、鉄やコークス、セメントの原料として使用される石炭には税が課されていません。この減免措置は当初は時限措置でしたが、その後も延長がなされ、現在は明確な期限なしに免除が続けられています。

また、沖縄県においては、特殊な事情を考慮して一般電気事業者が使用する石炭についても「当分の間」免除措置が取られています。

電源開発促進税との関連

石油石炭税の課税強化に伴い、電源開発促進税は減税されました。この背景には、環境問題への意識の高まりがあるとされます。ただし、電源開発促進税は本来原子力発電所の補助金として用いられているため、環境政策との整合性に疑問が生じています。このため、環境税としての意義が問われています。

税収の推移

税収は年々変動しており、最近のデータによると、令和4年度の決算における税収は663,030百万円でした。平成の始まりから見れば、税収は増減を繰り返しながらも、全体的には一定の収入を確保しています。

まとめ

石油石炭税は、日本のエネルギー政策の重要な一環として位置づけられています。課税の対象や目的、税率の変遷は、国のエネルギー対策に深く関わっており、今後もその動向には注視が必要です。

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