石田あゆう

石田 あゆう（いしだ あゆう）

石田あゆうは、1973年に大阪府で生まれた日本の社会学者である。専門はメディア論、特に女性誌や皇室に関する研究を深く掘り下げている。現在は桃山学院大学社会学部の准教授を務め、社会学の研究と教育に貢献している。

経歴

大阪府で生まれた石田は、学問の道を進み、京都大学大学院文学研究科で学びを深めた。同大学院の博士後期課程を修了後、京都大学から文学博士の学位を取得している。

職歴としては、まず京都精華大学の教育推進センター導入教育部門で嘱託講師として教壇に立った。その後、桃山学院大学社会学部に移り、専任講師として教育・研究活動を行った。そして、2010年からは同社会学部の准教授に就任し、現在に至るまでその職を務めている。

研究活動と専門分野

石田の研究分野は多岐にわたるが、中心となるのはメディア論である。特に、日本の社会や文化に大きな影響を与えてきた女性誌、そして象徴としての皇室、特に現代皇室がメディアとどのように関わってきたのかという点に焦点を当てている。皇室研究においては、美智子さまが皇太子妃時代に巻き起こした「ミッチー・ブーム」のような社会現象が、メディアによってどのように形成され、人々に受け止められたのかといったテーマを探求している。これは、皇室とメディア、そして社会の関係性を考える上で重要な視点を提供している。

また、女性誌に関する研究も精力的に行っており、特に歴史的な視点から女性誌の役割や変遷を分析している。戦時下という特殊な時代における婦人雑誌が、メディアとしてどのような機能を持ち、そこに掲載された広告が当時の社会状況や女性たちの意識をどのように反映していたのかといった点も、石田の研究対象である。単なる雑誌記事の分析にとどまらず、広告というメディアコンテンツを通じて、時代のプロパガンダや社会規範、さらには女性の生活や価値観がどのように提示・構築されたのかを読み解こうとしている。

主な著作

石田あゆうは、その研究成果をいくつかの重要な著作として発表している。

『ミッチー・ブーム』 (文春新書、2006年)：皇太子妃時代の美智子さまを巡る社会現象である「ミッチー・ブーム」を、メディアや社会の側から分析した初期の代表作。この現象が日本のメディア状況や皇室像に与えた影響を考察している。

『戦時婦人雑誌の広告メディア論』 (越境する近代 青弓社、2015年)：戦時下（概ね1930年代から40年代前半）の婦人雑誌に掲載された広告に着目し、それがメディアとしてどのように機能し、時代の要請や社会状況を映し出していたのかを詳細に論じた著作。

* 『図説戦時下の化粧品広告（1931-1943）』 (創元社、2016年)：前著とも関連するが、特に戦時下の化粧品広告に焦点を当て、豊富な図版と共にその内容や表現の変遷を分析している。物資統制が進む中でも存在した化粧品広告が、当時の女性たちの生活意識や国家のプロパガンダとどのように結びついていたのかを具体的に示している。

これらの著作を通じて、石田あゆうはメディアと社会、特にジェンダーや歴史との関わりに関する重要な問いを投げかけ、学術的な議論を深めている。現在も桃山学院大学にて、後進の指導にあたりながら研究活動を続けている。

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