石田和雄

石田和雄（いしだ かずお）について

石田和雄九段は、1947年3月29日に愛知県岡崎市明大寺町で誕生し、2012年に将棋界から引退した日本の著名な将棋棋士です。棋士番号97を持ち、将棋の世界で活躍した彼の経歴は、将棋ファンにとって大変興味深いものとなっています。石田九段は、名人戦A級に4期、竜王戦1組に1期出場し、数々の棋戦で実績を残しました。

幼少期と将棋との出会い

石田は五人兄弟の末っ子として生まれ、父の岡崎淳一郎は数多くの二宮尊徳像を製作する石材店を経営していました。そんな家庭環境の中で育った石田は、中学1年のころから将棋に目覚め、板谷四郎九段に師事しながら将棋の腕を磨いていきました。1962年に関東奨励会に入会し、わずか5か月で3級、2年後には初段に昇進。その後、20勝1敗の成績で三段に昇段しました。

プロ棋士としての道

石田は三段リーグを経て、関西本部でプロ棋士としてデビューします。彼は「岡崎の天才児」と称され、初年度から日本将棋界で特異な存在感を放ちました。特に1972年度には、新人王戦で桐山清澄を破り初優勝を果たし、4年後にも再度この棋戦で優勝しました。

しかし、その後は順位戦で長いスランプを経験し、一時は同時期に活躍した中原誠に差をつけられることになりましが、1976年に東京に住まいを移し、以降も着実にキャリアを積んでいきました。1976年には順位戦でB級1組に昇格し、1979年にはA級へ昇級しました。彼はこのクラスにおいて3期在籍し、師匠の進が存在している中でライバル意識が熾烈でした。

主要な成績と棋風

石田の棋風は、居飛車党として知られています。特に、矢倉戦法の運用が得意であり、対局中には相手の席で局面を考える習慣もあったため、時には対局相手が驚くこともありました。その独自のスタイルや決断力は、将棋好きなファンの間で高く評価されています。

また、彼は第3期竜王戦のランキング戦3組で優勝するなど、数々の名勝負も残していますが、谷川浩司との挑戦者決定戦では敗北を喫しました。それでも、1991年にはA級に復帰し、その後も多くの若手棋士の育成に努めました。

人物面

石田はポーカーフェイスで知られつつも、勝利の喜びを素直に表現する棋士でした。彼にとって、将棋はただの競技ではなく、人生の総力戦であったことでしょう。同じ流派の棋士と切磋琢磨する中で、将棋界に多大な影響を与えることとなりました。また、家庭菜園や中日ドラゴンズのファンであるなど、プライベートでも多彩な一面を持ち合わせています。

引退後の活動

2012年には引退し、彼が開設した柏将棋センターには多くの若い棋士が集まり、彼の指導のもと成長を遂げています。彼の功績は、将棋界への貢献だけでなく、多くの若手棋士を育成した点においても強く評価されています。今後も石田和雄という存在は、将棋界において忘れ去られることはないでしょう。

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