石田祐介

石田 祐介（いしだ ゆうすけ）

1982年6月29日、埼玉県新座市に生まれる。元社会人野球の投手（右投右打）であり、現役引退後は指導者の道を歩んでいる。

野球との出会いは新座市立東野小学校3年時。中学時代は硬式野球の新座シニアに所属し、投手と遊撃手を兼任した。

淑徳高等学校に進学すると、2年時には遊撃手としてレギュラーの座を獲得。3年時から投手に転向し、チームのエースとして夏の東東京大会に臨むが、甲子園出場の夢は叶わず4回戦で敗退した。

東京国際大学では、1年秋の東京新大学野球リーグにおいて鮮烈なデビューを飾り、新人王、最優秀投手、そして最優秀防御率のタイトルを独占する。その後、怪我に見舞われる時期もあったが、4年春には5勝を挙げてベストナインに選出され、4年秋にも再び5勝を記録。これらの活躍は、大学史上初のリーグ2位という快挙達成に大きく貢献した。大学4年間でのリーグ通算勝利数は19を数える。

大学卒業後の2005年、名門・日産自動車に入社。当時の投手陣は宮田仁、三橋直樹、高崎健太郎、青木高広といった錚々たる顔ぶれが揃っており、層の厚さから入社から4年間は公式戦での登板機会がほとんどなく、東京ドームのマウンドに立つことすら叶わない状況が続いた。

転機が訪れたのは入社5年目の2009年。チームの休部が発表され、この年が日産自動車野球部にとって最後の活動年となる。多くの主力投手がプロ野球へ進む中で、石田は徐々に重要な試合でのマウンドを任されるようになり、チームを引っ張るエースへと成長を遂げた。この年の都市対抗野球大会神奈川予選では、ENEOSとの初戦に先発し7回2失点と好投。翌日の三菱重工横浜との第一代表決定戦では、延長10回まで無失点という圧巻のピッチングを披露する。試合は延長16回、0対0の引き分けとなり再試合となったが、再試合と第二代表決定戦での登板はなくチームは敗退。しかし、第三代表決定戦の東芝戦に先発し、9回2失点で見事な完投勝利を飾り、チームを最後の都市対抗出場へと導いた。

第80回都市対抗野球大会本戦では、準決勝までの4試合全てに先発登板するというフル回転の活躍を見せる。しかし、準決勝でトヨタ自動車に0対1と惜敗し、ベスト4で大会を終えた。同年11月の第36回社会人野球日本選手権大会にも出場したが、こちらも準決勝でJR九州に敗れベスト4となり、この大会をもって日産自動車硬式野球部は約半世紀の歴史に幕を下ろした。

2010年1月、新たな活躍の場を求めて住友金属鹿島へ移籍。ここでもすぐにチームのエース格となり、第81回都市対抗、第82回都市対抗とチームを2年連続でベスト4に導く。自身にとっては日産自動車時代から通算3年連続のベスト4進出となったが、惜しくも都市対抗での優勝には手が届かなかった。この時期には、2010年に中国・広州で開催されたアジア競技大会の野球日本代表に選出される栄誉にも輝く。モンゴル戦に先発し、対戦打者12人から11個の三振を奪うなど圧巻の投球で、チームの銅メダル獲得に大きく貢献した。

2014年をもって住友金属鹿島を退部。その後、一時的に社会人クラブチームの新波に在籍した期間がある。

現役引退後は指導者の道に進み、2016年1月からは母校である東京国際大学硬式野球部で投手コーチを務め、後進の育成に尽力した。

2023年からは、社会人野球のJPアセット証券野球部に活躍の場を移し、引き続き投手コーチとして指導に当たっている。

社会人野球での功績は高く評価されており、都市対抗野球大会では第80回、第81回、第82回と3年連続で優秀選手賞を受賞している。また、国際舞台では2010年の広州アジア競技大会に日本代表として出場し、銅メダル獲得に貢献した経歴を持つ。

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