研辰の討たれ

『研辰の討たれ』（とぎたつのうたれ）は、歌舞伎の演目の一つです。

この作品は、1827年に実際に起こった敵討ち事件を題材としています。二世金沢竜玉が書いた『敵討高砂松』などの先行作品に着想を得て、1925年に木村錦花が雑誌「歌舞伎」に発表した『研辰の討たれ』が原型となっています。

その後、平田兼三郎がこの作品を脚色し、同年12月に歌舞伎座で初演されました。初演では、二代目市川猿之助が主人公である守山卓次（研辰）を演じ、観客を魅了しました。

さらに、2001年には、野田秀樹がこの作品を基に独自の解釈を加えた脚本・演出による『野田版研辰の討たれ』が歌舞伎座で初演されました。この作品では、五代目中村勘九郎が守山卓次を演じ、新たな魅力を引き出しました。

このように、『研辰の討たれ』は、過去の出来事を題材としながらも、時代を超えて様々な演出家や役者によって新たな息吹が吹き込まれ、歌舞伎の演目として愛され続けています。

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