硝酸ベリリウム

硝酸ベリリウム：性質、製法、反応

[硝酸]]ベリリウムは、ベリリウム]の[[硝酸塩であり、化学式Be(NO3)2で表されます。この化合物は、その製造方法、特性、反応性において、興味深い特徴を数多く示します。

製法

硝酸ベリリウムは、いくつかの方法で合成できます。最も一般的な方法は、炭酸ベリリウムや水酸化ベリリウムといったベリリウム化合物を希硝酸に溶解し、濃縮することです。この過程で、三水和物Be(NO3)2・3H2Oの結晶が析出します。この反応は、以下のように化学式で表すことができます。

炭酸ベリリウムからの合成：
BeCO3・4H2O + 2HNO3 → Be(NO3)2・3H2O + 3H2O

水酸化ベリリウムからの合成：
Be(OH)2 + 2HNO3 + H2O → Be(NO3)2・3H2O

これらの反応は、ベリリウム化合物と硝酸との酸塩基反応であり、水和された硝酸ベリリウム結晶が生成されます。

もう一つの合成法は、酢酸エチルを溶媒として、塩化ベリリウムと四酸化二窒素を反応させる方法です。この反応では、硝酸ベリリウムの四酸化二窒素付加物が生成し、これを50℃に加熱することで、無水物の硝酸ベリリウムが得られます。

四酸化二窒素付加物の生成と分解：
BeCl2 + 4N2O4 → Be(NO3)2・2N2O4 + 2NOCl
Be(NO3)2・2N2O4 → Be(NO3)2 + 2NO2

この方法は、無水物を得るための効果的な手段となります。

性質

無水物の硝酸ベリリウムは、125℃に加熱すると分解して塩基性塩Be4O(NO3)6となります。この分解反応は、以下の式で表されます。

無水物の熱分解：
8Be(NO3)2 → 2Be4O(NO3)6 + 4NO2 + O2

一方、三水和物は水に易溶性の無色または淡黄色結晶であり、潮解性（空気中の水分を吸収して溶ける性質）が強いです。エタノールにも溶解します。しかし、三水和物を加熱しても無水物は得られず、60℃付近から分解が始まり、塩基性塩2Be(NO3)2・BeOを生成します。さらに強熱すると、酸化ベリリウムBeOになります。これらの分解反応は複雑であり、いくつかの段階を経て進行します。

* 三水和物の分解：
6Be(NO3)2・3H2O → 2Be(NO3)2・BeO + 4NO2 + O2 + 18H2O
2Be(NO3)2・BeO → 3BeO + 4NO2 + O2

硝酸ベリリウムの水溶液は、加水分解によって酸性を示します。これは、ベリリウムイオンが水分子と反応して水素イオンを放出するためです。

まとめ

硝酸ベリリウムは、様々な製法を持つベリリウムの硝酸塩であり、その性質や反応性は、無水物と水和物で大きく異なります。高温では分解し、塩基性塩や酸化ベリリウムを生成します。水溶液は酸性を示し、その反応性からも、ベリリウム化合物の特性を理解する上で重要な化合物です。

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