硫酸カドミウム

硫酸カドミウム：性質、用途、安全性

硫酸カドミウムは、化学式CdSO₄で表されるカドミウムの硫酸塩です。無水物の他に、水分子を1つ含む一水和物、8つ含む八水和物が存在します。

用途

硫酸カドミウムは、いくつかの用途で利用されています。主な用途としては、プリント基板におけるカドミウムめっきが挙げられます。めっきは、基板の腐食を防ぎ、電気的特性を向上させるために施されます。

また、稀なケースではありますが、自然界で産出される鉱物、drobeciteやニーダマイライトから八水和物が発見されており、顔料として利用されることもあります。八水和物は、その結晶構造や光学的特性から、特定の色の発現に役立つと考えられています。さらに、ウェストン電池という標準電池の電解質として用いられることもあります。ウェストン電池は、精密な電圧測定に用いられる標準的な電池です。

生成方法

硫酸カドミウムは、比較的容易に合成できます。単体のカドミウム、あるいは酸化カドミウムや水酸化カドミウムなどのカドミウム化合物に、希硫酸を反応させることで生成します。化学反応式は以下の通りです。

CdO + H₂SO₄ → CdSO₄ + H₂O

この反応は、カドミウムの酸化物や水酸化物が硫酸と反応し、硫酸カドミウムと水を生成する反応です。反応条件を調整することで、無水物、一水和物、八水和物のいずれの形態も得ることができます。

八水和物の性質

硫酸カドミウム八水和物(3CdSO₄・8H₂O)は無色、無臭の単斜晶系の結晶です。ウェストン電池の電解質や、顔料として用いられる他、特定の用途において、その結晶構造が利用されることもあります。

安全性

硫酸カドミウムは、日本の毒物及び劇物取締法において劇物に指定されています。これは、人体への毒性が非常に高いことを示しています。不燃性であるものの、加熱すると分解し、カドミウムや硫黄酸化物などの有毒ガスを発生します。

[ラット]]への経口投与試験では、半数致死量]が357mg/kgと報告されており、これは比較的低い値です。さらに、長期間にわたる暴露は、[[腎臓、骨、気管などに悪影響を及ぼすことが知られています。そのため、取り扱いには細心の注意が必要です。適切な保護具を着用し、換気の良い場所で取り扱うべきです。また、廃棄物の処理についても、環境への影響を考慮した適切な方法に従う必要があります。

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