硫黄島ロランC主局

硫黄島ロランC主局について

硫黄島ロランC主局は、太平洋に浮かぶ小笠原諸島の硫黄島に設置されていたロランCの送信施設です。この施設は、かつて北西太平洋ロランCチェーン（Grid 9970）の中核となる主局として、アメリカ沿岸警備隊と日本の海上保安庁が共同で運用していました。

施設の概要

硫黄島ロランC主局は、高さ411.5メートルにも及ぶ巨大なアンテナを擁し、4メガワットという強力な送信出力でロランパルス信号を発信していました。この電波は、船舶や航空機が自らの位置を正確に把握するための重要な航法システムとして利用されていました。

歴史

1968年6月26日、小笠原諸島が日本に返還された際、硫黄島ロランC主局はアメリカ軍のロラン局として使用されることになりました。その後、1993年10月1日にアメリカ沿岸警備隊から日本の海上保安庁へと管理が移管され、硫黄島ロランC局として運用が継続されました。

しかし、1994年10月1日をもって硫黄島ロランC主局は運用を停止し、アンテナをはじめとする施設はすべて撤去されました。主局としての役割は、新島ロランC局へと引き継がれました。

特筆すべき点

硫黄島ロランC主局は、1968年から1975年の間、南鳥島ロランC局とともに、日本国内で最も高い建造物の一つでした。その巨大なアンテナは、当時の日本の技術力を示す象徴的な存在でした。

結論

硫黄島ロランC主局は、その役割を終えましたが、かつては日本の航法システムを支える重要な施設であり、その歴史は日本の技術史の一端を物語るものとして、記憶されるべきでしょう。

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