磁気ディスク装置

磁気ディスク装置について

磁気ディスク装置とは、主にハードディスクドライブ（HDD）を用いた補助記憶装置を指し、データの保存や読み書きを行うために使用されます。この装置は、制御ボード、電源装置、インターフェースなどの重要なコンポーネントが組み込まれています。

ハードディスクドライブ型磁気ディスク装置

ハードディスクドライブ型の磁気ディスク装置は、複数のハードディスクを活用し、通常は1台から12台程度のドライブを搭載しています。それぞれのドライブはトレイに設置され、特にRAID（Redundant Array of Independent Disks）構成の場合、運転中にもディスクを交換できるホットスワップ機能を備えています。使用されるドライブのサイズには、以下のようなバリエーションがあります：

• - 8インチ: 大型汎用コンピュータ向け
• - 5インチ: 大型汎用コンピュータ向け
• - 3.5インチ: 1990年代以降のデスクトップパソコンやサーバ、ワークステーション向け
• - 2.5インチ: 近年の省スペースデスクトップパソコンやノートパソコン向け

なお、各サイズのハードディスクドライブに関しては、別途確認が必要です。

障害対策

複数のハードディスクを組み合わせて、容量の大きい仮想ドライブとして機能させることができるRAIDは、障害が発生した際の対策として特に重要です。RAIDを用いることで、データの冗長性や読み取り速度を向上させることが可能です。

パック型磁気ディスク装置

磁気ディスク装置の歴史を振り返ると、1956年にIBMが初めてハードディスクを発売したことから始まります。この初代のハードディスクは24インチのディスクを50枚使用し、容量はわずか5MBでした。当初の大型汎用コンピュータでは、プラッタの交換が可能でしたが、現在のハードディスクはデータの読み書きの速度向上に伴い、プラッタの取り外しができない仕組みとなっています。これにより、ディスクパックの使用は減少しました。

パック型装置では、複数の媒体をアームで挿入することで使用されますが、ディスクを交換する手間がかかるため、頻繁な交換は行われません。特に1980年代では、ディスクの容量は小型のもので10MB、大型のもので100MBから200MBが一般的でした。プラッタが高価であるため、若干の不良部分があれば、それを見越してスキップするバッドトラック処理が行われることもありました。

記録密度と寿命

プラッタ上の記録密度は密閉型よりも低く、ヘッドとの距離もやや広がりますが、内部は清浄度を高めるためにエアフィルターが組み込まれ、半導体製造工場並みのクリーンな環境が維持されています。プラッタそのものの寿命は通常3年から5年程度で、磁気ヘッドやフィルターは交換可能なため、装置全体の寿命を延ばすことができます。

可動部とその機構

ハードディスク装置には、主に二つの可動部があります。ひとつは磁気ヘッドを動かすリニアモーターで、もうひとつはスピンドルというプラッタを回転させるモーターです。磁気ヘッドはアームを介してプラッタ上に位置し、ボイスコイルによって駆動され、必要に応じてデータの読み書きを行います。

インターフェース

各種コンピュータとの接続は、メインフレームでは独自の方式が主流でしたが、現在はファイバーチャネルなどの物理インターフェースが普及しています。また、パーソナルコンピュータとのインターフェースにはSCSIやUSB、IDEなどが利用され、多種多様な接続方法が選択可能です。最近では、ネットワーク経由で直接接続するNASやiSCSIなどの新たな技術も登場し、ますます多機能化しています。

まとめ

磁気ディスク装置は、デジタルデータの保存と管理において重要な役割を果たしています。その歴史や構造・機能について知識を深めることで、より効果的なデータ管理が実現されるでしょう。

もう一度検索