磐城の戦い

磐城の戦い

磐城の戦い（いわきのたたかい）は、戊辰戦争の一環であり、1868年6月16日から8月7日まで福島県浜通りで繰り広げられた新政府軍と徳川幕府軍の戦闘を指します。この戦いは、平潟への上陸から中村藩の降伏に至るまでの一連の戦いを含んでおり、奥羽越列藩同盟の勢力が浜通りを失った結果、仙台藩などが新政府軍と直接関わることとなりました。

背景

新政府軍は、無血の江戸開城によって西日本の諸藩が次々に参加する姿勢を取り、戊辰戦争における戦力を再編成しました。関東では旧幕府軍との戦いが続いており、新政府側は西日本の諸藩と薩長の兵力を結集し、一つの大軍を編成していました。新政府は、戦力が不足していた白河口を援護するため、中村藩や磐城平藩に対する攻撃を計画しました。

上陸作戦の立案

新政府軍は、平潟に上陸するための艦艇を準備し、海路を利用して進軍しました。補給は海と陸から行う方針が立てられ、平潟周辺を制圧することが重要でした。これによって、旧幕府軍に対する圧力をかけることができます。

戦闘の開始

6月16日、新政府軍が平潟に上陸開始し、当初は仙台藩の情報が及ばないまま進軍。新政府軍は全軍を上陸させ、平潟を確保しました。その後、周囲の諸藩に使者を送り、交渉を試みましたが、反応が得られませんでした。仙台藩の兵力が浸透し、同盟軍との接触が次第に増えます。

戦闘の展開

関田や植田での小競り合いが続く中、新政府軍は増援を得て兵力を強化し、戦局を有利に進める動きを見せました。中村藩は新政府軍に対抗するため、各地方から援軍を送り込みますが、風向きが変わる中で撤退を余儀なくされました。

磐城平城攻防戦

7月1日、新政府軍が磐城平城攻撃を試みますが敗北。しかし、改善策を講じて再度の攻撃が行われ、最終的には7月13日夜に城が陥落しました。この結果、新政府軍は浜通り全域を制圧し、さらに仙台へも進軍を開始します。

中村藩の降伏

8月初めに中村藩は新政府に降伏し、仙台藩の兵たちも防衛を断念。新政府軍は浜通り全域を掌握し、戊辰戦争の局面が大きく変わりました。

戦後の影響

新政府に協力した旧藩は、明治政府の直轄地として地方を統制されますが、藩としては存続を許されたものの最終的には廃藩置県が実施され、各藩は県に統合されていきました。これにより、磐城国としての存在は消え、現在の福島県の形成に寄与しました。

このように、磐城の戦いは新政府軍の力を確固たるものにし、戊辰戦争の重要な分岐点となりました。

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