磯崎洋三

磯崎洋三（いそざき ひろぞう）

磯崎洋三は1933年1月3日に茨城県那珂湊市で誕生した日本の実業家であり、東京放送（TBS）の社長として知られる著名な人物です。彼の愛称は「イソさん」で、彼の人柄を象徴する親しみのある名前でもあります。彼の経歴は多彩で、メディア業界に多くの貢献を果たしました。

経歴と業績

早稲田大学第一商学部を卒業後、1956年にTBSの前身であるラジオ東京に入社しました。同じく入社した同僚にはプロデューサーである居作昌果がいます。入社後、磯崎は様々な役職を歴任し、テレビ本部の編成局では編成部長や次長、スポーツ部長、社会情報局長を担当しました。彼は『ザ・ガードマン』や山口百恵の『赤いシリーズ』といったヒット作の制作にも関与し、放送界での地位を確立しました。

1991年7月、TBSが損失を被った問題に関連して、當時の社長が辞任することになり、その後に磯崎が社長に就任しました。彼は社長在任中に、視聴率低下に直面していたTBSを改革するための施策を実施します。1992年の秋には、安定した視聴率を持っていたいくつかのプログラムを打ち切り、『ムーブ』の編成を行いました。番組『関口宏の東京フレンドパーク』は好評を得たものの、多くは視聴率が伸び悩み、改革の試みは成功しませんでした。

また、1994年から1996年まで日本民間放送連盟の会長を務めた際には、民間放送業界全体の発展にも寄与しました。社長として、伊予テレビ（現在のあいテレビ）の開局や、TBS放送センターの完成、ロゴマークの変更などの重要な出来事に関与しており、これらは放送業界において重要な一歩となりました。

社長退任とその後

しかし、彼の社長在任中にはオウム真理教の事件に関連する問題が発生しました。特に坂本弁護士一家殺害事件においては、TBSのビデオ問題が大きな議論を呼びました。この件について衆議院の逓信委員会に呼ばれた磯崎は、自身の責任を認め、1996年4月30日付で社長を辞任しました。その後、彼は社長室の顧問となりました。

磯崎は2004年8月25日に心不全により71歳で亡くなりました。彼の死は多くの人々に惜しまれましたが、彼が残した多くの足跡は今もなおメディア界で生き続けています。

参考文献

• - 嶌信彦『メディア 影の権力者たち』講談社、1995年4月。
• - 筑紫哲也『ニュースキャスター』集英社新書、2002年6月。

関連項目

• - 二十四の瞳（映画） - 磯崎は1987年版のスタッフ・製作者として関与していました。

もう一度検索