礼唐貯水池

礼唐貯水池: 韓国最大の貯水池

礼唐貯水池（イェダン ちょすいち）は、大韓民国の忠清南道礼山郡に位置する、国内最大の貯水池です。無限川の中流域にあり、礼山郡と唐津市の農業用水供給を担う重要な水源として、二つの地域の名前の頭文字を取って名付けられました。特に、礼唐平野の農業に欠かせない存在となっています。

歴史的背景

礼唐貯水池は、朝鮮時代に開発された国賜塘洑を基にしており、1928年に工事が開始されました。しかし、日帝時代の影響で工事は一時中断され、1945年の光復後、1946年から再び工事が進められました。1952年に再着工し、1963年には完成を見て、1964年の年末には正式に竣工しました。その後、1984年には放流設備や水門、通管の補修工事が行われ、1985年には堤防の補修工事も実施され、現在の状態が保たれています。

構造と特性

この貯水池のダムの高さは12.1メートル、長さは247メートルです。また、アースフィルダムという堤防構造は長さ814.5メートル、高さ13.3メートルを誇ります。特に、この貯水池に設置されているテンターゲートは韓国初のもので、豪雨時の洪水を調節するための重要な役割を果たしています。自動開閉式の水門は合計26個あり、それぞれの水門は毎秒63.2立方メートルの水を排水することが可能で、遠隔操作で管理されています。

地理的特性と灌漑機能

礼唐貯水池は、満水面積が約1100ヘクタールに及び、総貯水量は4千710万立方メートルに達します。周囲は40キロメートルあり、流域面積は3万7350ヘクタールに及びます。これにより、この貯水池は周辺の農業地域に対して1万2400ヘクタール以上の灌漑能力を持っています。特に、新陽川を含む複数の川が流れ込み、水の供給が安定しています。

その他の利用と観光資源

灌漑以外にも、礼唐貯水池は淡水魚の養殖場としても知られています。豊富な淡水資源によりニホンウナギやコイが養殖され、過去20年間で中部圏では最高の釣り場として親しまれています。釣りの愛好者は年間に10万人を超え、初春から晩秋まで釣りを楽しむことができます。さらに、1969年には国民観光地に指定され、多様なレクリエーション施設が整備されました。観光客は礼唐貯水池と周囲の観光地を組み合わせて訪れることが多く、船遊びや漕艇競技の練習場としても使用されています。1979年の全国体育大会では漕艇競技の会場として活用された実績もあります。

このように、礼唐貯水池は単なる水源にとどまらず、多岐にわたる用途に活用される重要な存在です。

もう一度検索