社会民主党 (ブラジル、1987年結成)

ブラジルの社会民主党（PSD）は、1987年に設立された政党です。前身は1945年に設立された同名の社会民主党であり、その再興を目指しましたが、かつての勢いを再現するには至りませんでした。

PSDは、ジョアン・フィゲイレード大統領政権下で鉱業・エネルギー大臣を務めたセザール・カルスによって創設されました。しかし、2003年にはブラジル労働党（PTB）に吸収合併され、その歴史に幕を閉じました。

選挙戦の苦戦

1988年の地方選挙では、新しいPSDとして臨んだものの、56人の地方議会議員と、サンパウロ州内の2つの自治体（パウリニアとテオドロ・サンパイオ）の市長を辛うじて獲得するにとどまりました。

1989年の大統領選挙では、党首であるフィゲイレード自身を候補者として擁立することができず、元大統領ジャニオ・クアドロスを担ぐ動きもありましたが、実現しませんでした。最終的に、地方民主同盟（União Democrática Ruralista）代表のロナルド・カイアードを擁立することになりました。カイアードは、副大統領候補にカミーロ・カラザンスを擁立し、国民民主党（PDN）と連携しました。カイアードは、対立候補に対し激しい批判を展開し、特に労働者党のルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァに対しては、ルベカ社からの不正な資金提供疑惑を追及しました。また、当選した際には、ファゼンダ「Europa」に侵入した土地なし農民運動（MST）のメンバーを投獄すると公約しました。

しかし、カイアードは第1回投票で10位に終わり、決選投票ではフェルナンド・コロールを支持しました。

議員の離合集散

1990年の時点で、PSDが擁する議員は、連邦下院議員が1人、州議会議員が2人という状況でした。しかし、1992年には、101人の首長、6人の連邦下院議員、20人の州議会議員を擁するまでに勢力を拡大しました。さらに、議員の数は党籍の移動によって20人にまで増加しましたが、その背景には金銭が絡んでいたという告発もなされました。

1994年の大統領選挙では、PSDはブラジル民主運動党（PMDB）と連携し、オレステス・ケルシアを推しましたが、ケルシアは4位に終わりました。連邦下院では3議席、州議会議員は22人を獲得しました。リオデジャネイロ州知事選挙では、ニュートン・クルーズ将軍が善戦しましたが、3位にとどまりました。クルーズは、1996年のリオデジャネイロ市長選挙への立候補を試みましたが、党は支持を撤回し、ブラジル社会民主党（PSDB）のセルジオ・カブラル・フィーリョを支持しました。これに反発したクルーズはPSDを離党し、自由戦線党（PFL）のルイス・パウロ・コンデを支持しました。また、首長選挙では当選者を出すことができませんでした。

合併と終焉

その後、PSDはナビ・アビ・チェディドが党首となり、1998年、2000年、2002年の選挙にも候補者を擁立しましたが、目立った成果を上げることはできませんでした。そして、2003年、PSDはブラジル労働党に吸収合併され、その歴史に幕を閉じました。

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