社員選手

社員選手とは

社員選手（しゃいんせんしゅ）とは、スポーツ分野で選手が企業と雇用契約を結びつつ競技に従事する形態の選手を指します。日本においては、大学や専門学校を卒業した多くのアマチュア選手がこの制度の下で活動しており、プロ契約の獲得や移籍の際に柔軟な取り扱いが可能となります。

Jリーグにおける社員選手

Jリーグにおいては、社員選手は法人（クラブ）と雇用契約を結び、その枠組みの中でプレーをします。この類の選手は通常、出資法人から出向していることが多い傾向にあります。社員選手は登録上はプロに分類されるものの、統一契約選手（プロ契約選手）とは異なり、クラブからの報酬は受け取れません。ただし、試合に出場することで出場給が支給される点は共通しています。

また、社員選手はアマチュア契約選手に比べて、移籍時には移籍金が必要です（最大30万円×在籍年数）。このような制度により、選手は手厚いサポートを受けつつも、競技面での成長を目指して活動しています。

登録人数や契約年数には特に制限がなく、実業団チームがJクラブに移行した当初には社員選手の割合が高く、徐々にプロ契約へ移行することでその比率が低下するものです。社員選手が所属するクラブの中には、まれにJ1リーグのチームがある一方で、J3リーグには副業として活動するセミプロ選手が多く見受けられます。中にはスポンサー企業との関係で、就労のあっせんを受けている選手もいます。

プロ契約に関する規定

新たにプロ契約を結ぶ社員選手は、初めはすべてプロC契約となり、契約期間は最長で三年まで有効です。この際の基本給は年480万円を上限とし、規定の試合に出場するか、三年が経過することで、プロA契約への移行が可能となります。

Jリーグにおいて社員選手として活動していた選手たちは徐々にその数を減らし、2009年シーズンを最後に社員選手がいなくなりました。しかし、2011年にはサガン鳥栖の選手が再び社員選手として登場する予定があったものの、その後明確な報道はなく、2015年までの時点では社員選手が存在しない状況となりました。

有名な社員選手

Jリーグで社員選手として知られる選手には、反町康治や田口禎則、堀直人などがいます。これらの選手は多くが特定の企業から出向しており、契約を変更した選手も存在しています。表面的には同じチームに所属していても、経営母体の変更に伴いチーム名が変わった場合でも、同一のチームに長く在籍したとみなされます。

他競技における社員選手の取り組み

バスケットボールにおいても、社員選手は存在しています。日本バスケットボールリーグ（JBL）では、選手は二つの登録形態、すなわち「登録I種」と「登録II種」に分かれ、社員選手は後者に分類されます。社内での正社員として働きつつ、競技活動を行いますが、報酬は名目上発生しない形です。新たなリーグ体制になった後は、プロとアマチュアの二つに分かれ、その中に社員選手に相当する形態が設けられています。

まとめ

社員選手は、企業とスポーツの交差点に位置する選手で、その形態はサッカー、バスケットボール、さらには他のスポーツにおいても展開されています。アマチュア選手からプロ契約へと移行する流れの中で、選手たちは継続的な競技経験を積むと同時に、その背後には企業からの支援という新たな形の在り方があることがわかります。

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