祈りのちから

映画『祈りのちから』解説

『祈りのちから』（原題: War Room）は、2015年にアメリカで公開されたドラマ映画です。アレックス・ケンドリックが監督を務め、プリシラ・シャイラーとT・C・ストーリングスが主演を務めています。

ストーリー

物語は、一見裕福で幸せそうなジョーダン夫妻が、実は倦怠期に陥っているところから始まります。夫トニーは仕事でほとんど家にいないため、妻エリザベスは不満を募らせ、娘に当たってしまう日々。ついには夫の不倫を疑うまでに至ります。

そんな中、エリザベスは不動産仲介の仕事で出会ったミス・ウィリアムズから、「夫のために祈りなさい」とアドバイスを受けます。ミス・ウィリアムズは、祈りのための場所「ウォー・ルーム」をエリザベスに見せ、祈りの大切さを説きます。エリザベスは言われた通り、夫のために祈り始めます。

一方、トニーは出張先で知り合った女性から誘いを受けますが、体調を崩してしまいます。その後、会社の薬品サンプルを盗んだ疑いで解雇され、失意のどん底に。しかし、彼は自分の生き方を反省し、盗んだ薬品を返却することを決意します。トニーの改悛した姿を見た上司は、刑事告訴を取り下げました。

トニーは家族との時間を取り戻し、娘の才能に気づきます。娘のロープ登りの才能を伸ばし、コンテストに出場させたことで、親子の絆は深まります。エリザベスはミス・ウィリアムズの家を司祭に売却し、司祭は「ウォー・ルーム」で祈りを感じます。その後、トニーはコミュニティセンターで職を得て、収入は減ったものの、家族の心は満たされるのでした。

キャスト

エリザベス・ジョーダン: プリシラ・シャイラー（沢海陽子）
トニー・ジョーダン: T・C・ストーリングス（白熊寛嗣）
ミス・クララ・ウィリアムズ: カレン・アバクロンビー（片岡富枝）
コールマン・ヤング: アレックス・ケンドリック（宮﨑聡）
マイケル: マイケル・Jr（小松史法）
ダニエル・ジョーダン: アレーナ・ピッツ（末柄里恵）
マンディ: ベス・ムーア（大井麻利衣）
ヴィクトリア・ドレイク: テナエ・ダウニング（堀越知恵）
警察官: ベン・デイヴィース

製作の背景

アレックス・ケンドリックとスティーヴン・ケンドリックは、本作を製作するにあたり、シャーウッド・ピクチャーズから独立しました。その理由として、教会内での疎外感を挙げています。独立後、フェイスステップ・フィルムズとソニー・ピクチャーズと提携しました。

アレックスはタイトルについて、「闘争に入る前に、神に正しい戦略を尋ねるべきだという信念から『War Room』と名付けた」と語っています。

黒人の描写

当初、主要登場人物は白人となる予定でしたが、アレックスが黒人を多数起用した映画を撮影する夢を見たことから、主要キャストにアフリカ系の俳優が起用されることになりました。ソニーは当初難色を示しましたが、ケンドリック兄弟は計画を実行しました。

T・C・ストーリングスは、本作について「ステレオタイプを反転させ、社会の真実を伝えている。人種間の緊張を神に伝え、祈りこそが最強の武器になる」と語っています。

撮影

主要撮影は2014年夏にノースカロライナ州で行われました。

音楽

本作にインスパイアされた楽曲のアルバムとサウンドトラックが発売されています。

興行収入

全米1135館で公開され、週末興行収入ランキング初登場2位を記録。公開2週目には1位を獲得し、興行的な成功を収めました。

評価

キリスト教関連メディアからは絶賛された一方、そうでないメディアからは批判も寄せられました。

外部リンク

英語版公式サイト
日本語版公式サイト
War Room - IMDb（英語）
* War Room - TCM Movie Database（英語）

もう一度検索