祖国統一の五大方針について

祖国統一の五大方針について

1973年6月25日、北朝鮮の金日成国家主席が行った『祖国統一の五大方針について』の演説は、南北朝鮮の関係において重要な転換点を象徴しています。この演説では、南北両国が互いに正統性を主張し、朝鮮半島に単一の国家の存在を求める「一つのコリア」の立場が強調されました。政治的な背景として、1972年の南北共同声明により対話の可能性が広がる一方、韓国の朴正煕大統領が米国の圧力を受けて「二つのコリア」を容認する姿勢を見せました。これに対して金日成は、南北間の分裂を永続化させる企てであると激しく非難し、統一に向けた強い意志を示す内容を発表しました。

背景

金日成の演説が行われた当時、北朝鮮は国際情勢が大きく変化している中で、外交政策の見直しを迫られていました。中ソ対立により両国からの独立した立ち位置を維持していましたが、米中関係の改善やソ連からの援助の減少が影響を与えています。1960年代中盤以降、北朝鮮は外交的に困難な状況に直面しつつあり、国際連合への加盟を目指し続けたものの、果たしてその目標を達成できるかは疑問視されていました。

演説の内容

金日成は演説の冒頭で、韓国の6月23日の平和統一外交宣言に対し、厳しく非難しました。彼は、南北対話の可能性を否定し、核となる五大方針を掲げました。その内容は、統一に向けての明確な道筋を示すものであり、特に共通の国家の名称として提案された

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