祖国防衛国民評議会

祖国防衛国民評議会（CNSP）とは

祖国防衛国民評議会（Conseil national pour la sauvegarde de la patrie: CNSP）は、2023年ニジェールクーデターによって成立した軍事政権です。モハメド・バズム大統領の政権を打倒し、ニジェールの実権を掌握しました。

クーデター発生とCNSPの成立

2023年7月26日、ニジェール空軍のアマドゥ・アブドラマネ大佐が国営放送を通じて、バズム大統領を罷免し、CNSPの結成を発表しました。同時に、憲法の停止、国家機関の解散、国境閉鎖、夜間外出禁止令の発令など、一連の措置を宣言し、外国からの介入を牽制しました。翌7月27日には、国内の政党活動を禁止する命令も出されました。

7月28日、大統領警備隊のアブドゥラハマネ・チアニ司令官が国営テレビで演説し、自らCNSP議長に就任すると発表しました。チアニ議長は、クーデターの理由として、国の「漸進的かつ不可避的な崩壊」を回避するためだと主張し、バズム大統領が国の厳しい現実を隠蔽していたと批判しました。また、政府の安全保障戦略の失敗を指摘しましたが、民政移管の時期については明言しませんでした。

CNSPの構成員

CNSPの主要な構成員は以下の通りです。

議長：アブドゥラハマネ・チアニ（准将）
副議長：サリフ・モディ
構成員：アブドゥ・シディコウ・イッサ
構成員：ムーサ・サラウ・バルム
報道官：アマドゥ・アブドラハマネ
構成員：モハメド・トゥンバ

民間人内閣の発足

2023年8月10日、CNSPはアリ・ラミネ・ゼインを首相とする民間人内閣を任命しました。この内閣が、今後のニジェールをどのように運営していくのか、国際社会の注目が集まっています。

国際社会の反応

クーデター発生後、国際社会からは非難の声が相次ぎました。特に、ECOWAS（西アフリカ諸国経済共同体）は、ニジェールに対して厳しい経済制裁を発動し、バズム大統領の復権を要求しました。しかし、CNSPはこれらの圧力に屈することなく、権力を維持しています。

ニジェールの今後の政情は、依然として不透明な状況が続いています。CNSPがどのように国を運営し、民政移管に向けてどのような道筋を描くのか、注視していく必要があります。

もう一度検索