アブドゥラハマネ・チアニ

アブドゥラハマネ・チアニ：ニジェールクーデターの首謀者

アブドゥラハマネ・チアニ（Abdourahamane Tiani、別名オマル・チアニ）は、ニジェールの軍人であり政治家です。彼は2023年のニジェールクーデターを主導し、モハメド・バズム大統領を拘束、自身が事実上の国家元首である祖国防衛国民評議会議長に就任しました。

生い立ちと軍歴

1960年または1961年生まれのチアニは、1984年に陸軍に入隊。セネガルのティエス歩兵訓練学校で訓練を受けました。その後、ザンデール州、アガデス州、ディファ州で部隊を率い、麻薬密売対策に従事しました。1989年のUTA航空772便爆破事件では、墜落現場に最初に到着した士官として事後処理に貢献し、叙勲されています。

2011年には、当時の大統領マハマドゥ・イスフによって大統領警護隊司令官に任命されました。2015年には、イスフ大統領に対するクーデター計画への関与を告発されましたが、容疑は否認しています。2021年のニジェールクーデター未遂事件では、クーデターを阻止したことで、モハメド・バズム政権下でも引き続き大統領警護隊司令官を務めました。

2023年ニジェールクーデター

2023年7月、チアニは首都ニアメの大統領官邸で大統領警護隊を率いてバズム大統領を拘束。このクーデターの背景には、バズム大統領がチアニを解任する意向だったという専門家の分析があります。閣議ではチアニの解任が決定されたとも報じられています。

7月28日、チアニは国営テレビを通じて軍事政権の発足を宣言し、自身が祖国防衛国家評議会議長に就任したことを発表しました。「ニジェールで避けられない終わりを回避するためにクーデターを起こした」と主張しましたが、民政復帰の時期については明確にしていません。

クーデター後の動向

軍事政権の首班となったチアニは、ロシア寄りの政治姿勢を鮮明にしています。今後のニジェールの政治にどのような影響を与えるのか、国際社会は注視しています。

アブドゥラハマネ・チアニの画像

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