祝祭の広場

お部屋ラボ 祝祭の広場：大分市中心部の多目的都市型公園

大分県大分市府内町に位置する「お部屋ラボ 祝祭の広場」は、かつて大分パルコがあった跡地に整備された都市型公園です。約4,310平方メートルの広さを持ち、可動式の大型屋根、ステージ、芝生広場、そして植栽コンテナやトイレ、駐輪場、シェアサイクルポートといった様々な設備が整っています。

可動式大型屋根：イベントにも対応可能なフレキシブルな空間

この公園の最大の特徴と言えるのが、大小2基の可動式大型屋根です。大きい方の屋根は高さ11メートル、幅18メートル、小さい方は高さ8メートル、幅16メートルあり、東西方向に最大67メートルまで移動させることができます。2基を並べれば、最大36メートルの長さとなり、約1,000人を収容できる広大な空間が生まれます。さらに、屋根に設置されたソーラーパネルで発電された電力を使用して移動させるという、環境にも配慮した設計となっています。

建設までの経緯：大分パルコ跡地の再生

この広場の建設に至るまでには、紆余曲折がありました。以前この地には大分パルコがありましたが、2011年に閉店。その後、跡地は医療法人恵愛会に売却され、病院建設が計画されましたが、2017年に計画が断念され、土地が売却されることになります。

大分市は、ラグビーワールドカップ2019の関連イベント開催を視野に入れ、この跡地を取得。暫定的に広場として整備することを決定しました。設計はプロポーザル方式で選考され、当初は大型クレーンを用いた仮設屋根の計画でしたが、安全面や災害への対応などを考慮し、現在の可動式大型屋根に変更されました。

完成から現在：様々なイベントや利用

2019年8月に竣工し、同年9月に供用開始。ラグビーワールドカップ2019の関連イベントの開催後、一般利用が開始されました。2020年には命名権が導入され、「お部屋ラボ 祝祭の広場」となり、大型LEDビジョンも設置されました。同年にはグッドデザイン賞を受賞するなど、高い評価を受けています。2021年には東京オリンピックの聖火リレーセレブレーション会場としても利用されました。

名称の変遷：商標登録との兼ね合い

当初は「祝祭広場」という仮称が用いられていましたが、既に商標登録されていたことから、「祝祭の広場」に変更されました。命名権は2019年に募集されましたが、応募がなく、再募集を経て、不動産会社豊後企画集団が命名権を獲得し、現在の名称となりました。

まとめ：市民の憩いの場として進化を続ける公園

「お部屋ラボ 祝祭の広場」は、単なる公園にとどまらず、イベント会場や集会場所、そして市民の憩いの場として、多様な役割を担っています。可動式屋根というユニークな構造と、その歴史、そして今後の発展に注目が集まる、大分市を代表する都市型公園と言えるでしょう。柔軟な空間設計と、環境への配慮を両立させたこの公園は、都市空間における公園のあり方を提示するモデルケースとなっています。今後の活用方法にも期待が高まります。

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