神のいつくしみの主日

神のいつくしみの主日

神のいつくしみの主日（かみのいつくしみのしゅじつ）は、カトリック教会における重要な祝日であり、復活祭の翌週の日曜日にあたります。この日は「白衣の主日」とも呼ばれ、2000年に教皇ヨハネ･パウロ2世によって公式に制定されました。

神の慈しみとファウスティナ・コヴァルスカ

この祝日の起源には、ポーランドの修道女ファウスティナ・コヴァルスカが果たした重要な役割があります。彼女は1931年の真冬の夜、イエス・キリストが白い衣をまとい、赤と青の光をその心臓から放射しているビジョンを見ました。この像は彼女の日記にも記録されており、イエスが「厳かに復活祭の翌週の日曜日に祝福されることを望む」と告げたとされています。

ファウスティナはその後、神のいつくしみのイメージを広めることに尽力しました。彼女は新しい聴罪司祭であるミカエル・ソボチコ神父と出会い、この神秘的なイメージを絵画として具現化するための協力を得ました。画家で大学教授のエウゲニュシ・カジミロフスキがその絵を完成させたのは1934年のことです。これがファウスティナが見た唯一の神の慈しみのイメージ画でした。この絵は、後に全世界に広がる「神のいつくしみのイメージ」として知られることになります。

イメージ画の広がり

神のいつくしみのイメージ画は、ファウスティナの指導の下で描かれたカジミロフスキの作品が、ヴィルノの聖霊教会に安置されていましたが、広く知られるようになったのは別の画家アドルフ・ヒワによる作品です。特に、イエスの顔がトリノの聖骸布と類似していることが多くの信者に感銘を与えました。

最初の「神のいつくしみの祝日」

ファウスティナの日記によれば、1935年の聖金曜日にイエスが彼女に神の慈しみのイメージを公に崇敬することを望んでいる旨を告げられたとあります。その約一週間後の4月26日、ソボチコ神父がファウスティナと共に初めて「神のいつくしみ」についてのミサを行いました。この日は復活祭の後の最初の日曜日にあたり、教皇ピウス11世による最後の罪の贖いの儀式も行われていました。

公式な祝日としての位置付け

教皇ヨハネ･パウロ2世は2000年、復活祭の翌週の日曜日を「神のいつくしみの主日」として公式に定めました。この新しい祝日は、神の慈しみを中心とした信仰の表現として、多くの信者に祝福されています。

このように、神のいつくしみの主日はカトリック教会の重要な祝日に成長し、信者たちが神の慈しみを受け入れ、他者へと愛を広げるきっかけとなっています。伝承されたファウスティナのビジョンとそれを背景にした神秘的な体験が、現代においても多くの人々の心に生き続けているのです。

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