神保道夫

神保 道夫

神保 道夫（じんぼう みちお）は1951年11月28日に千葉県に生まれた日本の数学者で、代数解析学および数理物理学の分野で多くの業績を挙げています。彼は京都大学名誉教授および東京大学名誉教授であり、元立教大学の教授でもあります。

経歴

神保は佐藤幹夫の指導のもとで学び、代数解析学を数理物理学へ応用することに注力しました。彼の研究の中でも特に注目されるのは、統計力学において重要な「可解格子模型」に関する業績です。神保はこの分野での先駆者として知られ、可解系の構造を深化させる多くの研究を行っています。

また、彼は独立した形で量子群の理論を構築し、これはカッツ・ムーディリー代数の普遍包絡環に関連するq-類似の概念を含みます。共同研究者である三輪哲二との協力により、様々な研究結果を発表し、特にτ関数の構成や、XXZ模型、パンルヴェ方程式への応用などにおいて多大な貢献をしています。

学歴

神保は東京大学を1974年に卒業し、その後京都大学大学院で修士課程を1976年に修了、さらに1986年には論文博士を取得しました。

職歴

彼の職業人生は、1976年に京都大学数理解析研究所の助手として始まりました。その後、1988年には同大学で助教授に、1992年には教授に昇進しました。2000年より東京大学大学院数理科学研究科の教授を務めた後、2009年には立教大学理学部数学科の教授として名を馳せました。2010年、彼は京都大学から名誉教授の称号を授与され、2012年には東京大学からも名誉教授として認められました。

受賞歴と講演

神保はこれまで多くの賞を受賞しています。1987年には日本数学会秋季賞を、1993年には日本学士院研究賞を受賞しました。2000年には可積分系についての研究が評価され、朝日新聞社の朝日賞を三輪哲二と共に受賞しました。また、彼は国際数学者会議（ICM）での招待講演を行ったり、2010年のウィグナー・メダルや2013年のハイネマン賞数理物理学部門を受賞しています。

主な著作

神保はまた、いくつかの専門書を著しています。代表的な著書には、1990年に出版された『量子群とヤン・バクスター方程式』、1995年の『複素関数入門』、1996年の共同著作『熱・波動と微分方程式』、および2007年の『ソリトンの数理』があります。

神保道夫の研究と業績は、数学界および物理科学の発展において極めて重要です。彼の影響力は今もなお、次世代の研究者たちに引き継がれています。

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