神光寺

今宮山 神光寺について

神光寺は、岐阜県関市下有知の今宮山山麓に位置する高野山真言宗の寺院です。山号を今宮山と称し、地域の人々から深く信仰されています。この寺は、美濃三十三観音霊場の第二十四番札所、美濃四国霊場の第二十番札所、そして中濃八十八ヶ所霊場の第四十三番札所としても知られ、多くの巡礼者が訪れます。本尊として安置されているのは、平安時代に作られたとされる十一面観世音菩薩像です。

歴史

神光寺の創建は、養老3年（719年）に天台宗の僧、泰澄禅師によって開かれたと伝えられています。創建当初の寺号は明らかではありません。白山信仰との関わりが深く、境内には泰澄が加賀から勧請したとされる白山神社があります。また、寺には白山曼荼羅が所蔵されています。

平安時代後期には、源頼義が前九年の役に出陣する際、神光寺で戦勝祈願を行ったとされています。祈願後、勝利を収めたことから、頼義は伽藍の整備を行ったと伝えられています。

天喜5年（1057年）には、後冷泉天皇の勅願寺となり、この時、今宮山神光寺と名乗るようになりました。しかし、その後、戦乱に巻き込まれ、寺運は一時的に衰退しました。

江戸時代の慶長年間、高野山真言宗の僧、真栄によって中興され、再興を遂げました。また、この寺は曽代用水の開削にも深く関わっています。住職の眞澄は、開削を主導した喜田吉右衛門、柴山伊兵衛、林幽閑を祀る井神社を創建しました。井神社は明治41年（1908年）に寺外に移されましたが、柴山伊兵衛の墓は現在も境内にあり、この寺が曽代用水と深い関わりがあったことを今に伝えています。

寺の特色

神光寺は、歴史と信仰が深く結びついた寺院であり、多くの文化財や歴史的遺産が残されています。特に、本尊の十一面観世音菩薩像は、その美しさから多くの人々を魅了しています。また、境内にある白山神社や、曽代用水開削に尽力した人々を祀る井神社跡など、見どころも多いです。

まとめ

神光寺は、古代からの歴史を持ち、数々の困難を乗り越えてきた寺院です。現在も多くの人々から信仰を集め、地域に深く根ざした存在となっています。訪れる人々は、その歴史と文化に触れ、心の安らぎを得ることができるでしょう。

参考文献
* 新修 関市史

脚注

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