神奈川医療少年院

神奈川医療少年院：歴史と役割

神奈川医療少年院は、神奈川県相模原市に位置し、2019年3月まで運用されていた少年院です。第一種・第二種少年院に分類され、医療少年院（第三種少年院）とは異なっていました。医療法上の診療所に該当し、情緒的な未成熟さや知的障害などにより、社会生活に著しい不適応を示す少年を対象に、専門的な治療教育を提供する特殊教育課程を設けていました。

2019年4月、八王子医療刑務所、八王子少年鑑別所、関東医療少年院と共に、東京都昭島市の国際法務総合センターに移転統合され、閉鎖となりました。跡地は、2026年度完成を目指して、新たな第一種少年院として再開発される予定です。

神奈川医療少年院の目的と対象者

神奈川医療少年院は、主に以下の2種類の少年を収容し、社会復帰を目指した治療教育を行っていました。

1. 知的障害者、またはそれに準じた処遇を必要とする者
2. 情緒的な未成熟さなどにより、社会生活への適応が著しく困難な者

これらの少年に対して、それぞれの状態に合わせた専門的な教育と治療を提供することで、社会復帰を支援することが目的でした。

歴史

神奈川医療少年院の歴史は、1947年に東京都渋谷区に開庁した東京少年院に遡ります。これは日本初の医療少年院でした。

1947年（昭和22年）5月: 東京少年院設置決定
1947年（昭和22年）7月: 東京都渋谷区に東京少年院開庁（日本初の医療少年院）
1951年（昭和26年）4月: 東京医療少年院と改称
1953年（昭和28年）4月: 神奈川県相模原市に神奈川少年院開庁
1978年（昭和53年）3月: 神奈川少年院廃庁
1978年（昭和53年）4月: 法務省設置法の一部改正により神奈川医療少年院となり、神奈川少年院跡地に移転
1979年（昭和54年）2月: 新庁舎建立
1979年（昭和54年）3月: 新庁舎での業務開始
2019年（平成31年）: 国際法務総合センターに移転、閉鎖

施設概要

所在地: 神奈川県相模原市中央区小山四丁目4番5号
* アクセス: JR相模線南橋本駅から徒歩約5分

閉鎖と今後の展望

2019年の閉鎖は、少年院の統廃合という大きな流れの中で行われました。より効率的な運営と、最新の矯正・教育システムの導入を目指した措置と言えるでしょう。跡地には、2026年度の完成を目指して、新しい第一種少年院の建設が計画されています。これは、少年矯正制度の更なる発展と、少年たちの更生支援に対する継続的な取り組みを示すものです。

神奈川医療少年院は、長年にわたり多くの少年たちの更生に尽力してきました。その歴史と役割は、今後の少年矯正制度の在り方を考える上で重要な示唆を与えてくれるでしょう。

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