八王子医療刑務所

八王子医療刑務所の概要

八王子医療刑務所（はちおうじいりょうけいむしょ）は、かつて法務省矯正局が管轄する刑務所で、主に医療が必要な受刑者を収容していました。この刑務所は、全国にある4つの医療刑務所のうちの1つであり、通称「八刑」とも呼ばれていました。2018年1月には、東京都昭島市にある国際法務総合センター内に東日本成人矯正医療センターとして移転し、八王子医療刑務所は閉所されました。跡地には「八王子駅南口集いの拠点」としての施設が整備される予定です。

施設の位置と交通

八王子医療刑務所は、東京都八王子市子安町に位置しており、住所は〒192-0904です。最寄りの交通手段としては、JR八王子駅から徒歩約8分、京王線の京王片倉駅からも約8分でアクセスできます。

収容対象

本刑務所では、身体的または精神的な障害を持つ受刑者を主に収容するM級、P級、MW級、PW級の他、健康な男女で犯罪傾向が進んでいないA級、W級も受け入れていました。収容定員は433人で、健康状態や社会復帰の可能性を考慮した運用がされていました。

歴史

八王子医療刑務所の歴史は1878年に始まり、当初は八王子監獄署として設立されました。その後、いくつかの改称を経て1893年には東京府の所管となり、さらに1927年には八王子少年刑務所に改名されました。

1951年には医療刑務所に指定され、日本国内の医療刑務所の中でも特に重要な役割を果たしました。1981年には施設の改修が行われ、2018年には昭島市に移転しその役割を終えました。

組織と運営

組織は所長のもとに3つの部門から構成され、総務部（庶務課、会計課、用度課）、処遇部（処遇担当、企画担当）、医務部（保健課、複数の医療課、看護課）で運営されていました。特に医務部では受刑者に対する医療や看護の提供が行われていました。

特徴

八王子医療刑務所は、医療法上の病院にも該当しており、精神障害を持つ受刑者に対する作業療法として紙細工や園芸なども実施されていました。この施設では、受刑者への終末期ケアを行っていた数少ない医療刑務所の一つでもあり、質の高いケアが提供されていました。また、職員の教育訓練の一環として准看護師養成所が設けられるなど、組織全体の資質向上にも注力していました。

著名な受刑者

八王子医療刑務所には一部著名な受刑者も収容されていました。画家の平沢貞通や名張毒ぶどう酒事件の奥西勝、日本赤軍のリーダーとして知られる重信房子らがその例です。彼らはそれぞれ異なる理由でここでの生活を送っており、その背景や運命はさまざまです。

まとめ

八王子医療刑務所は、医療処遇が求められる受刑者のために特化した存在でしたが、新たな医療施設の設立に伴い、その役割を終えました。跡地には地域活性化を目的とした新しい施設が整備される予定です。このように、刑務所の歴史や役割を理解することは、犯罪や矯正、医療の結びつきを考える上で意義深いものとなるでしょう。

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