神奈川県立保土ケ谷公園硬式野球場

神奈川県横浜市保土ケ谷区にある神奈川県立保土ケ谷公園内に設けられた、神奈川県が管理運営を行う硬式野球場です。「保土ケ谷球場」という通称で広く知られており、現在は施設命名権によって「サーティーフォー保土ケ谷球場」という愛称が使われています。

歴史

この球場は1949年に開場しました。開場以来、主に県内の高校野球や社会人野球など、アマチュア野球の公式戦が開催される主要な会場として利用されています。特に高校野球の夏の神奈川大会においては、かつては準々決勝までの試合が行われるなど、中心的な役割を果たしてきました（2006年以降、準々決勝以降は横浜スタジアム開催に変更）。春季大会では準々決勝まで、秋季大会では決勝までの試合が行われるなど、現在も重要な位置を占めています。これらの試合は、地元テレビ局であるTVKテレビで中継されることもあります。

過去にはプロ野球の公式戦も開催されたことがあります。1950年と1951年の2年間で合計6試合が行われましたが、現時点で確認されている最後のプロ野球開催は1951年 9月26日の国鉄スワローズ対大阪タイガース戦です。

施設はこれまでに何度か改修されています。1970年に一度改修された後、1996年にはスタンドが全面的に建て替えられる大規模な工事が行われました。この時にナイター照明設備も設置され、夜間の試合開催が可能になりました。外野スタンド後方には桜の木が植えられており、春には美しい景観を見せます。比較的新しい改修としては、2019年秋に行われた内野・外野のグラウンド改修工事があります。

2020年からは、ベースボール・チャレンジ・リーグ（ルートインBCリーグ）に新たに参入した神奈川フューチャードリームスの公式戦も開催されるようになりました。

施設命名権

神奈川県が導入した「ネーミングライツパートナー制度」により、球場の命名権が取得されています。

最初の命名権者は神奈川新聞社で、2010年 4月1日から5年間、「保土ケ谷・神奈川新聞スタジアム」という愛称が使用されました。

神奈川新聞社との契約期間終了後、県は新たな命名権者を募集しました。その結果、相模原市に本社を置く住宅建設・不動産業の株式会社サーティーフォーが命名権を取得し、2015年 4月1日から「サーティーフォー保土ケ谷球場」という新たな愛称に変更されました。サーティーフォーは、相模原市立相模原球場に続いて当球場が2件目の命名権取得となります。

主なエピソード

野球漫画の金字塔として知られる「ドカベン」の舞台の一つとして登場します。主人公チームである明訓高校が神奈川県内という設定だったことから、特に1996年の改築前の球場が作中に度々描かれました。
神奈川県は高校野球の強豪校が多く集まり、非常に人気が高い地域です。そのため、重要な試合では球場が満員となり、入場できない観客のために場外にテレビモニターを設置して試合を観戦できるようにしたこともあります。これは「ドカベン」の作中にも同様の描写が見られます。
1970年代、横浜市中心部にあった横浜公園平和野球場（平和球場）が老朽化で使用困難になった期間、保土ケ谷球場が代替会場として重要な役割を担いました。この時期には、高校野球神奈川大会の開会式、閉会式、準決勝以降の試合（1975年までは決勝も含む）が行われました。1978年に平和球場が建て替えられ、現在の横浜スタジアムが完成してからは、横浜スタジアムが県大会のメイン会場となり、保土ケ谷球場で開会式が行われたのは1979年の1度だけです。ただし、2021年には東京オリンピックにより横浜スタジアムが使用できなかったため、第103回全国高等学校野球選手権大会神奈川大会の決勝戦などが特例的に保土ケ谷球場で開催されました。
人気音楽ユニット「センチメンタル・バス」のヒット曲「Sunny Day Sunday」のCDジャケット写真に、当球場が使用されています。
かつて球場前に県立保土ケ谷公園が運営する売店がありましたが、2020年5月末に閉店しました。

施設概要

構造：RC造（一部鉄骨造）3階建
フィールドサイズ：両翼95m、中堅120m
グラウンド：内野はクレー舗装、外野は天然芝
スコアボード：フルカラーLED式を採用しています。開場以来、様々な形式を経て現在のものに改修されました。
収容人員：合計14,817人（内野席：9371人、身障者席（車椅子用）：28人、外野席：5418人）
照明設備：6基設置されています。

交通

鉄道利用：
相模鉄道本線の星川駅または和田町駅から、いずれも徒歩で約15分です。駅から球場までは急な坂道が続きます。
バス利用：
最寄りのバス停は「花見台」または「保土ケ谷野球場前」で、バス停からはすぐです。
JR保土ケ谷駅西口1番バスのりばより、市営バス（25系統）「保土ケ谷駅西口循環」または「横浜駅西口」行に乗車し、所要時間約10分です。
* 横浜駅西口より、市営バス（25系統）「保土ケ谷駅西口」行に乗車し、所要時間約20分です。

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