神奈川県立港南台高等学校

神奈川県立港南台 高等学校

神奈川県立港南台高等学校は、かつて神奈川県横浜市港南区港南台九丁目に所在していた公立高等学校です。地域における教育の一翼を担っていましたが、高校再編によりその歴史に幕を下ろしました。

概要

JR根岸線港南台駅から徒歩約10分というアクセスに恵まれた立地にあった本校は、旧学区制度下においては、横浜南部学区内で高い学力水準を持つ学校として位置づけられていました。具体的には、神奈川県立柏陽高等学校に次ぐ順位にあると見なされ、多くの生徒が四年制大学への進学を目指しました。

主な進学先としては、青山学院大学、中央大学、法政大学、明治学院大学といった首都圏の中堅上位私立大学や、神奈川大学をはじめとする地元大学への進学実績が豊富でした。また、教育活動の一環として、2008年度からは明治学院大学との連携による特色ある講座が開設され、生徒たちの学びの機会を広げる取り組みも行われていました。

学校としての役割を終え閉校した後も、港南台高等学校の校舎は教育施設として活用され続けています。閉校から約2年間は使用されない期間がありましたが、2011年度からは、校舎の建て替え工事を行う神奈川県立横浜立野高等学校が、一時的に全ての機能を本校舎に移転して利用しました。この期間、立野高校の元の校舎は「本牧間門校舎」、旧港南台高校の校舎は「港南台校舎」と呼称されました。この横浜立野高校による利用は2013年度まで続きました。さらに2015年度からは、新たに開校した神奈川県立横浜明朋高等学校がこの校舎を引き継ぎ、現在に至るまで使用しています。

沿革

港南台高等学校の歴史は1973年（昭和48年）に始まります。同年1月1日に神奈川県立港南台高等学校として設立が告示され、当初は神奈川県立横浜日野高等学校内で開校事務が行われました。仮設校舎も横浜日野高等学校内に設置され、同年3月24日に完成しています。

1973年 4月1日に正式に開校を迎え、初代校長以下、16名の専任職員と兼務職員、非常勤講師を合わせて20名の教職員体制でスタートしました。同年4月5日には第一回入学式が挙行され、学校生活が始まりました。開校を記念する式典は、同年5月1日に行われています。

校舎の本建築は、1974年（昭和49年）6月30日に第一期工事が完了し、同年7月27日には現在の所在地である横浜市港南区港南台九丁目に本校舎が完成し移転しました。その後も施設の整備は進み、1975年（昭和50年）2月25日には運動場の整備が完了、同年3月22日には校舎建築の第二期および第三期工事も完成しました。同年12月11日には体育館も完成し、主要な教育施設が整いました。

最初の卒業生を送り出したのは、1976年（昭和51年）3月1日に行われた第一回卒業証書授与式でした。その後も学校施設の充実は続き、1979年（昭和54年）10月17日には25メートル、6コースの鋼板プールが完成しています。所在地の表示変更は1981年（昭和56年）10月22日に行われ、現在の表記となりました。

学校の節目には記念式典が開催され、創立10周年は1983年（昭和58年）10月8日、20周年は1993年（平成5年）9月24日、30周年は2003年（平成15年）5月27日にそれぞれ盛大に祝われました。

しかし、2004年（平成16年）10月4日に神奈川県が策定した県立高校改革推進計画の後期実施計画において、港南台高等学校は再編統合の対象校となりました。そして、2009年（平成21年）3月3日に最後の卒業証書授与式である第三十四回卒業式が行われるとともに、完校記念式典が執り行われ、36年間の歴史に幕を閉じました。

再編統合

港南台高等学校は、神奈川県の高校改革の一環として、2009年（平成21年）4月より神奈川県立上郷高等学校と統合されました。これにより、新たな単位制普通科高校である神奈川県立横浜栄高等学校が設立されました。

統合に向けての準備は段階的に進められました。2007年度に入学した生徒からは、新設校の制服が採用され、学級編成も従来の形態から4クラス30人学級へと変更されました。授業時間についても、同年から1時限45分授業が7時限行われる形式に変更されています。新しい学校の名称は、「県立高校校名検討懇話会」での議論を経て、「神奈川県立横浜栄高等学校」と決定されました。

校歌など

本校の校歌は、作詞を三木卓氏、作曲を林光氏が担当しました。また、学校の開校にあたっては、井上弘氏が作詞を、宮川匡氏が作曲を手がけた「開校の歌」も制作され、生徒や教職員、地域の人々に親しまれました。

著名な卒業生

港南台高等学校は、多岐にわたる分野で活躍する人材を輩出しています。著名な卒業生としては、かつて歌手やタレントとして活動した五十嵐夕紀氏、政治家であり教育者でもある荒井優氏、スポーツライターとして知られる大利実氏、そしてフリーアナウンサーの中倉隆道氏などが挙げられます。

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