神奈川県立湯河原高等学校

神奈川県立湯河原高等学校

神奈川県立湯河原高等学校（かながわけんりつ ゆがわらこうとうがっこう）は、神奈川県足柄下郡湯河原町吉浜にかつて存在した県立の高等学校です。地元では「湯高（ゆこう）」という略称で親しまれていました。校章は、湯河原町のシンボルでもある椿の葉が三枚重ねられ、中央に「高」の文字が配されたデザインでした。文化祭は「ゆこう祭」として開催され、生徒や地域住民が集う場となっていました。

学校の特色

湯河原高等学校は、相模湾に面した海沿いの恵まれた立地に校舎を構えていました。この地理的な利点を最大限に活かし、特色ある教育活動を展開していました。特に注目されたのは、充実した設備を備えた海洋科学教室です。学校の敷地内に掘られた井戸から海水が汲み上げられ、大型の水槽や高度な調査・分析機器が整備されていました。これにより、生徒たちは海洋環境や生物に関する実践的な学習を深めることができました。

また、スポーツ活動も盛んで、特にビーチバレーは強豪として知られていました。全国レベルの大会でも活躍し、2005年には男子チームが全国大会で準優勝という輝かしい成績を収めています。

沿革と閉校

湯河原高等学校は、1980年（昭和55年）4月1日に開校しました。設立の背景には、当時の神奈川県が進めていた「高校百校新設計画」があったとされています。約四半世紀にわたり、地域における中等教育の拠点としての役割を果たしました。

しかし、生徒数の減少などを背景とした神奈川県の高校再編計画の一環として、湯河原高等学校は統合の対象となりました。2008年（平成20年）3月31日をもって閉校し、翌4月1日からは神奈川県立小田原城東高等学校と統合・再編され、新たな神奈川県立小田原総合ビジネス高等学校が開校しました。

この湯河原高等学校の閉校により、足柄下郡に位置する湯河原町、真鶴町、箱根町の三町から、公立の高等学校が姿を消すこととなりました。これは、地域の教育環境に大きな影響を与える出来事でした。

閉校後、湯河原高等学校が使用していた広大な敷地と校舎は、新たな用途に活用されることになりました。湯河原町立湯河原中学校がこの場所に移転し、現在に至るまで使用されています。かつて高校生たちが学んだ校舎やグラウンドは、形を変えて地域の教育活動に貢献し続けています。

アクセス

学校の跡地へのアクセスは、JR東海道線の湯河原駅から比較的便利でした。湯河原駅からは徒歩およそ15分程度の距離に位置していました。

著名な出身者

プロボクサーとして活躍した松田直樹氏が、本校の出身者として知られています。WBC世界フェザー級のタイトル挑戦者決定戦に出場するなど、輝かしい実績を残しました。

関連項目

神奈川県高等学校の廃校一覧
高校百校新設計画

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