神奈川県高等学校の通学区域

神奈川県高等学校の通学区域：学区制度の変遷と詳細

神奈川県の公立高等学校における通学区域、いわゆる学区は、時代とともに変化してきました。ここでは、その歴史的背景から、各時代の学区制度、そして学区撤廃に至るまでの詳細を解説します。

学区制度の始まりと変遷

第二次世界大戦後、学制改革が行われ、旧制中学校や高等女学校が新制高校へと移行する際、「小学区制」「男女共学」「総合制」の3点が重視されました。これらは後に“高校三原則”と呼ばれるようになります。神奈川県では、この原則を踏まえ、1950年度に学区制度を導入。当初は横浜市内を小学区制、その他地域を中学区制とし、県内を19の学区に分けました（計40校）。

その後、1963年には学区規模を拡大し、学区数を減らす「9学区制」がスタート。さらに1981年には、高校百校新設計画により学区あたりの学校数が増加したため、学区規模を縮小し、16の学区に細分化する「16学区制」が発足しました。

1990年には、県央地区の学校増に対応するため、県央・県北学区を再分割し「18学区制」へと移行。そして2005年、県立高校の学区は撤廃され、川崎市立高校については「川崎市内学区」に変更されました。

各時代の学区制度の詳細

19学区制（1950年度～1962年度）

この時期には、希望ヶ丘高が保土ケ谷区に移転し、瀬谷・鶴ヶ峯・保土ケ谷・原中学区域、高座郡大和町を学区とするなどの変更がありました。また、鶴見工業高と横浜商業高の普通科が募集停止となり、それぞれ鶴見高と新設の港高（後の横浜市立南高等学校）に移管されました。

9学区制（1963年度～1980年度）

この制度下では、横浜市鶴見区、神奈川区、港北区、保土ケ谷区の一部が横浜北部学区、横浜市戸塚区、西区、保土ケ谷区、神奈川区、南区、港北区、中区の一部が横浜中部学区、横浜市金沢区、磯子区、中区、南区の一部が横浜南部学区となりました。

16学区制（1981年度～1989年度）

この制度では、横浜市内の学区がさらに細分化され、横浜東部学区、横浜北部学区、横浜西部学区、横浜中部学区、横浜南部学区、横浜臨海学区が設けられました。また、川崎市は川崎南部学区と川崎北部学区に、横須賀市、三浦市、逗子市、葉山町は横須賀三浦学区となりました。

18学区制（1990年度～2004年度）

この制度では、従来の県央・県北学区が分割され、厚木海老名愛甲学区、大和座間綾瀬学区、相模原南部学区、相模原北部津久井学区が新たに設けられました。1996年には大師高が総合学科に改編され、2003年以降は県立高校改革推進計画により県立校の再編・統合が行われました。

学区撤廃後の状況

2005年の学区撤廃により、県立高校は原則として県内全域から受験可能となりました。ただし、川崎市立高校については「川崎市内学区」として、川崎市内の中学校からの受験生が対象となっています。

まとめ

神奈川県の公立高校の学区制度は、時代のニーズに合わせて変遷してきました。学区撤廃後の現在では、より自由な学校選択が可能になっています。しかし、各学校の特色や所在地などを考慮し、最適な進路を選択することが重要です。

この情報が、神奈川県の高校選びの一助となれば幸いです。

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