神威駅

神威駅（かもいえき）

神威駅はかつて北海道の歌志内市に位置していた、北海道旅客鉄道（JR北海道）の歌志内線に属する廃駅です。この駅の設置は、周辺の炭鉱と密接な関係があります。特に、神威砿からの積出し用専用線だけでなく、空知砿の西山坑からの運搬のためにも利用されました。1896年に駅が開業し、その後数十年の間に多くの炭鉱が活動を行っていましたが、歴史の波により多くの鉱山は閉山することとなり、1970年代に至るまで駅の利用状況が変化していきました。

歴史的背景

神威駅は、北海道炭礦鉄道空知線が開通した1891年に北炭神威砿専用線としての運用が始まり、その後の1896年に正式に駅として開業しました。営利活動の中心は主に炭坑からの石炭輸送でした。1896年から1931年にかけて、西山坑での生産活動は特に活発であり、神威駅はその流通拠点として機能していました。1931年には西山坑が閉山し、運搬量の減少が生じ、その後駅の役割も変わりました。

その後も、1944年に駅舎が改築されるなどの変化はあったものの、将来的には徐々に衰退。1963年には北炭神威砿が閉山し、1970年代には貨物の取り扱いが廃止され、1986年には乗車券の発売も停止され完全無人駅化しました。最終的に1988年に歌志内線の廃線に伴い、神威駅も廃駅としてその歴史が幕を閉じます。

駅名の由来

駅名の「神威」は、北炭が1893年に申請した鉱区名に由来していますが、その具体的な意味は明らかではありません。周辺には「カムイヌプリ」という山があり、そこから取られた可能性もありますが確証はありません。地域の呼称で「かむい」と発音されるのに対し、駅名が「かもい」と訛っている点についても詳しい理由は不明です。

駅構造と周辺施設

神威駅は廃止される直前まで1面1線の単式ホームを有する無人駅でした。駅舎は有人駅の時代の名残を残しており、様々な地区の交通拠点としての役割を果たしていました。周辺には北海道道114号と1027号が通っており、近くには「神威市街」と名付けられたバス停も存在しています。

駅跡の状況

現在、神威駅跡には2021年に再現された駅名標が設置されています。この取り組みは、地域おこし協力隊員の提案に基づくもので、過去の駅の姿を知るための重要な資料となっています。神威駅も含む旧歌志内線の駅跡には、このように再現された駅名標が設置され、訪れる人々に駅の歴史を思い起こさせる役割を果たしています。

隣接駅

神威駅の隣には、西歌駅と歌神駅が存在していました。これらの駅も、神威駅と同様にその役割を終えてしまっています。

以上が神威駅についての概要であり、北海道の炭鉱業と深く関わった駅の貴重な歴史が伺えます。

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