神屋楯比売

神屋楯比売（カムヤタテヒメ）は、『古事記』に登場する女神であり、大国主神の妻の一柱として知られています。しかし、名前のみの記述で、親神や神格など詳しいことは一切不明です。

神格と伝承

『先代旧事本紀』では、高津姫という名で宗像の辺津宮に坐す神とされており、この伝承によれば多岐都比売命と同一神と考えられています。一方で、『日本書紀』には神屋楯比売に関する記述は見られません。

『海部氏勘注系図』では、神屋多底姫命と表記されています。

名義の解釈

「屋楯」を「矢と盾」と解釈する説も存在しますが、必ずしも必然性はありません。「神屋」を神の籠る屋、すなわち「神殿」と解釈し、「楯」を「立てられたもの」として神殿を守るために立てられた「垣」と解釈することで、神屋楯比売の名義は「神の籠る家屋の防壁の女性」と解釈できます。また、系譜関係から、神殿（神屋楯比売命）に託宣の神（事代主神）が籠るとも考えられます。

系譜

大国主神との間に事代主神を生んだとされています。事代主神は、託宣を司る神として知られています。

祀られている神社

神屋楯比売は、以下の神社で祀られています。

八王子神社（奈良県奈良市漢國町） - 漢國神社の境内社であり、祭神の一説として神屋楯比売が挙げられています。
大后社（島根県松江市美保関町美保関） - 祭神として祀られています。

関連する神々

八上比売：大国主神の妻の一柱
須勢理比売：大国主神の正妻
沼河比売：大国主神の妻の一柱
多紀理比売：宗像三女神の一柱であり、神屋楯比売と同一視される伝承があります。
鳥取神

外部リンク

神屋楯比売命 – 國學院大學 古典文化学事業
由緒 | 漢國神社
ご祭神・ご由緒 | 美保神社 | えびす様の総本宮 | 島根県松江市美保関町

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