美保神社について
美保神社(みほじんじゃ)は、
島根県松江市に存在する歴史ある神社であり、式内社として認識されています。旧
社格は国幣中社に位置づけられ、商売繁盛や漁業、海運の神として多くの信仰を受けてきました。また、
楽器の奉納が行われる「鳴り物」の神様としても知られています。
祭神について
美保神社の祭神は、右殿に大国主神の子である事代主神、左殿にその后である三穂津姫命が祀られています。三穂津姫命は大国主神の霊魂を象徴し、事代主命は神屋楯比売神の子供であり、義理の母親にあたります。『出雲国風土記』には、美保郷に降り立った御穂須須美命に関する記述がありますが、現在の祭神は事代主神と三穂津姫命として定められています。
神社の歴史
美保神社の創建年代は不明ながら、
8世紀に編纂された『出雲国風土記』において神社が記載されていることから、長い歴史を有しています。
中世には横山氏が
神職を
世襲しており、
近世には
出雲大社とともに参拝者が増加し、「出雲のえびすだいこく」として親しまれました。
1885年には国幣中社に昇格し、戦後は
神社本庁の別表神社として位置付けられています。
境内の様子
現在の本殿は、
寛政12年(
1800年)の火災後に文化10年(
1813年)に再建されたもので、特殊な「美保造」として知られ、国の重要文化財にも指定されています。設計されたスタイルの成立時期は不明ですが、
1570年から
1573年の頃には既に2棟の本殿が存在していたことが文書に記されています。
1928年には本殿が原位置から100メートル移築され、拝殿や神門、廻廊も現在の形に整えられました。
文化財としての重要性
美保神社には重要文化財や有形民俗文化財が多く存在しています。特に美保神社本殿や奉納された
楽器は、国指定の重要文化財とされ、訪れる人々にその価値を伝えています。また、祭事には国譲り神話に基づく青柴垣神事や諸手船神事があり、地域文化の一翼を担っています。
祭事とアクセス
美保神社では多くの祭事が行われます。
1月1日には歳旦祭、
1月7日の初ゑびす祭、4月には例大祭が行われ、特に青柴垣神事と諸手船神事が注目されています。交通アクセスも便利で、
松江駅からバスでのアクセスが可能です。
初詣や
ゴールデンウィークなどには直行バスも運行され、信仰の拠点として多くの人々に利用されています。
美保神社は、地域の信仰心を育み続ける存在であり、訪れる者にとって心の拠り所となっています。