神戸市電布引線

神戸市電布引線：神戸の街を駆け抜けた路面電車

神戸市電布引線は、神戸市内に存在した路面電車路線です。現在の神戸市中心部を、1970年まで走っていました。短い路線でしたが、神戸市民の生活に密着した存在として、人々の記憶に深く刻まれています。本稿では、布引線の歴史、運行状況、そして廃止に至るまでの経緯を詳細に解説します。

開業から全線開通へ

布引線は1912年（大正元年）12月28日、瀧道停留場から熊内1丁目停留場までの区間で開業しました。路線距離は2.322km。その後、1919年（大正8年）4月15日には、熊内1丁目停留場から上筒井停留場までの区間が開業し、全線2.999kmが開通しました。この時点では、フラワーロードの一部と上筒井通を利用していました。

路線と停留場の変遷

開業から廃止までの間、布引線は幾度の変更を経ています。1935年（昭和10年）7月2日には、瀧道停留場が瀧道分岐点に格下げされました。1942年（昭和18年）以降は、上筒井停留場が上筒井1丁目停留場に改称されました。さらに、1961年（昭和36年）以前には上筒井2丁目停留場が廃止されています。

1969年（昭和44年）3月23日には、加納町3丁目停留場から上筒井1丁目停留場間の運行が廃止されました。そして、1970年（昭和45年）3月15日、残りの区間である瀧道分岐点から加納町3丁目停留場間も廃止され、布引線の歴史に幕を閉じました。

1962年当時の布引線

1962年7月当時の布引線の様子を見てみましょう。多くの停留場が存在し、神戸市電の路線網の中で重要な役割を担っていたことが分かります。この頃の布引線は、多くの市民にとって身近な交通手段であり、活気に満ちていたことでしょう。資料によると、いくつかの停留場は既に廃止、または休止されていたようです。

運行系統と資料

1962年7月当時の運行系統図も残されています。この図からは、布引線が他の路線とどのように接続していたのか、また、どの程度の頻度で電車が運行されていたのかを知ることができます。さらに、昭和41年3月頃の路線図や、神戸市電布引線の路線図といった資料も存在し、布引線の歴史を研究する上で貴重な情報源となっています。これらの資料は、当時の神戸の街並みや交通事情を知る上で非常に役立ちます。

参考文献

鉄道廃線跡一覧表（兵庫県内） - 神戸・兵庫の郷土史
昭和37年7月現在の電車運転系統図
昭和41年3月頃の路線図
神戸市電布引線 路線図 - 鉄道歴史地図

まとめ

神戸市電布引線は、短いながらも神戸の街の発展に貢献した路面電車路線でした。その歴史は、時代の移り変わりを反映しており、貴重な歴史的遺産と言えるでしょう。残された資料を基に、布引線の歴史を紐解き、当時の神戸の街並みを想像することは、現代社会を考える上でも有意義な経験となるはずです。

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